けん)” の例文
けんちゃん、うまくすれば、つくかもしれないよ。」と、清次せいじは、自分じぶんが、手荒てあらにしたのをべつに後悔こうかいするふうもなかったのです。
僕のかきの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、いち自動車じどうしや手負ておひごときは、もののかずでもない、たゝかへば驕將けうしやうは、張中ちやうちうせつれなかつた。ゆうなり、またけんなるかな。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「近ごろ兗州えんしゅう曹操そうそうは、しきりとけんを招き、士を募って、有能の士には好遇を与えるというじゃないか」と、もっぱら評判であった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伯夷はくい叔齊しゆくせいけんなりといへども、(七三)夫子ふうし益〻ますますあらはれ、顏淵がんえん篤學とくがくなりといへども、(七四)驥尾きびしておこなひ益〻ますますあらはる。
江戸の唖科あくわ柴田氏は麹町の柴田を以て宗家とする。曩祖なうそ、名は直教ちよくけうと云つた。直教の子が直儀ちよくぎ、直儀の子がけん、賢の二子が元泰げんたい元徳げんとくである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
犯すに至れること恐るべき次第なりされどもてんまことてらし給ふにより大岡越前守殿の如きけん奉行の明斷めいだんに依てのがれ難き死刑一等を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
象次郎曰ふ、復古はかたきに非ず、然れども門地もんちはいし、門閥もんばつめ、けんぐることはうなきに非ざれば、則ち不可なりと。二人の本領自らあらはる。
それは私の弟のけんのことについて、私と父とが、ほんのちょっとしたことから口論し始めたことによってである。
ふたゝびあんずるに、孔子のせいなるもそのれいいける時よりも照然せうぜんとして、そのはか十里荊棘けいきよくを生ぜず、鳥もをむすばず。関羽くわんうけんなるもしては神となりていのるおうず。
監察御史かんさつぎょし葉希賢しょうきけん、臣が名はけん応賢おうけんたるべきことうたがい無しともうす。おのおの髪をえてちょうひらく。殿でんに在りしものおよそ五六十人、痛哭つうこくして地に倒れ、ともちかってしたがいまつらんともうす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
庫裏くりから訪づれると、住職の大けん和尚をしやうは老齡の上、この事件で本堂再建の望みもフイになり、落膽して床に就いて居るといふので、執事しつじ鐵了てつれうといふ四十年輩の僧侶が逢つてくれました。
銭形平次捕物控:274 贋金 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
私が自分のそばにいる兄妹きょうだい三人の子供の性質をしみじみ考えるようになったのも、早川はやかわけんというような思いがけない人の名を三郎の口から聞きつけるようになったのも、そのころからだ。
(新字新仮名) / 島崎藤村(著)
氏にも美しくけんなる伴侶はんりょがある。
明治美人伝 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
曹丞相は、けんを愛し、人材を求むること、ひでり雲霓うんげいを望むごとしと、世評には聞いていたが……。いやはや……これでは覚束おぼつかない。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
少年小使しょうねんこづかいの小田おだけん一は、いったのでした。子供こどもたちは、すべてってしまって、学校がっこうなかは、にもひとしかったのです。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
威王ゐわう莊周さうしうけんなるをき、使つかひをして(三一)へいあつうしてこれむかへしめ、(三二)ゆるすにしやうすをもつてす。莊周さうしうわらつて使者ししやつていは
ふたゝびあんずるに、孔子のせいなるもそのれいいける時よりも照然せうぜんとして、そのはか十里荊棘けいきよくを生ぜず、鳥もをむすばず。関羽くわんうけんなるもしては神となりていのるおうず。
「ねえかあちゃん、けんちゃんをどこかへやるの」ととうとう私はこらえられなくなってきいた。
うやまひ下をあはれみてすたれたるをおこしたへたるをつくろひ給ふ事まことけんなりといふべしさて大岡おほをか忠右衞門とて三百石にて御書院番ごしよゐんばんつとめ其後そののち二百石加増かぞうあつて五百石と成を越前守家督かとく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
今や時勢一ぺんして舊規きうき墨守ぼくしゆす可らず、宜しく政けんを王室に還し、以て萬國竝立へいりつ基礎きそを建つべし。其れ則ち當今の急務きふむにして、而て容堂の至願しぐわんなり。ばく下のけんなる、必之をさつするあらんと。
と、老先生ろうせんせいは、おしえていられました。けん一は、あたまれて、書物しょもつうえつめて、先生せんせいのおっしゃることを、よくこころめいじてきいていました。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
魯君ろくんこれうたがうて、呉起ごき(六九)しやす。呉起ごきここおい文矦ぶんこうけんなるをき、これつかへんとほつす。文矦ぶんこう李克りこくうていはく、『呉起ごき何如いかなるひとぞ』
なれどその楠木も、土豪のゆうでこそあれ、中央のけんではありませぬ。廟堂びょうどうのご政治むきなどには、とんと役にもたたぬ者と、記録所や決断所でもはや定評となっております
けんにしてたからおほければ則ち其志そのこゝろざしそんにしてたからおほければ則ち其過そのあやまちを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
山本薪炭商やまもとしんたんしょう主人しゅじんは、先生せんせいからきいたごとく、さすがに苦労くろうをしてきたひとだけあって、はじめて田舎いなかからてきたけん一のめんどうをよくみてくれました。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
周道しうだう衰微すゐびして、桓公くわんこうすでけんなり、しかるにこれつとめてわういたらしめず、すなはしようせしめしと以爲おもへる
今、李儒が読み上げた通り、帝は闇愚あんぐにして威儀なく、太后は教えにくらく母儀のけんがない。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ゆゑ彌子びしおこなひいまはじめかはらざるに、まへにはけんとせられて、のちにはつみものは、(一〇九)愛憎あいぞう至變しへんなり
けんちゃん、ここに、こんなかきのえているよ。」と、突然とつぜん清次せいじが、いいました。
僕のかきの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二女足をあろうて何れのけんに逢わん……
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここもつ(四四)せい諸矦しよこうあらはせり。越石父ゑつせきほけんにして(四五)縲紲るゐせつうちり。晏子あんしでてこれみちふ、(四六)左驂ささんいてこれあがなひ、かへる。
ぼくは、けんちゃんや、しょうちゃんとわかれるのはいやだから、こっちにいるほうがいい。」
青い草 (新字新仮名) / 小川未明(著)
きみこれきてこれけんとしていはく、「かうなるかな、ははめのゆゑ刖罪げつざいをかせり」と。きみ果園くわゑんあそぶ。彌子びしももくらうてあまし。((彌子))つくさずしてきみたてまつる。
けんちゃん、きみいえでは、活動写真かつどうしゃしんをしているの?」と、おじさんは、ききました。
北風にたこは上がる (新字新仮名) / 小川未明(著)
悼王たうわうもとよりけんなるをく。いたればすなはしやうとす。((呉起))はふあきらかにしれいつまびらかにし、不急ふきふくわんて、(一〇五)公族こうぞく疏遠そゑんものはいし、もつ戰鬪せんとう撫養ぶやうす。
あまがきだよ。けんちゃんにあげるから、っていってえておきよ。」
僕のかきの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
(一二)天下てんか管仲くわんちうけんとせずして、鮑叔はうしゆくひとるをとするなり
けんちゃん、つのは、およしよ。」
ねずみの冒険 (新字新仮名) / 小川未明(著)