沙流さる)” の例文
ただ一度聞いたことがあるのは、日高の国、沙流さる山道の駅亭が化け物屋敷にて、ここに宿泊せしものが妖怪を実視したとの話を聞いたのみである。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
日高の沙流さる地方でも昔はそれがあり、それを“アイヌ・ペウレㇷ゚”(aynu-pewrep 人間である熊の子)
魔物に狙われるということ 日高国沙流さる平取ぴらとり部落で、昔ある婆さんが眠っていると、夜の引き明け頃に、戸外で自分の名を呼んだような気がした。二度呼んだ。
えぞおばけ列伝 (新字新仮名) / 作者不詳(著)
そして、沙流さる川にかかつた九十五間のおほ橋の欄間らんかんには、驅け馬を切り拔いてある。
泡鳴五部作:04 断橋 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
沙流さる川は昨日の雨で水濁り
北斗帖 (新字新仮名) / 違星北斗(著)
胆振および日高の沙流さる地方にケナシコルウナルペ(木原の姥)というおばけがいて、これがいつも編みかけのこだしを冠ったように髪の毛をさんばらに振りかぶって出て来る。
えぞおばけ列伝 (新字新仮名) / 作者不詳(著)
沙流さるアイヌの信仰によれば、この山の頂には神々の降りて舞い遊ぶ庭があり、またその庭の傍には、“カイカイ・ウン・ト”(kaykay-un-to 白波の立つ沼)という神秘な沼があって
胆振、日高ひだか沙流さる、旭川市近文ちかぶみなどで。