“いちこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:イチコ
語句割合
巫女55.0%
市子20.0%
神巫5.0%
一顧5.0%
巫子5.0%
市巫5.0%
降巫5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ざまあ見ろ、巫女いちこ宰取さいとりきた兄哥あにいの魂が分るかい。へッ、」と肩をしゃくりながら、ぶらりと見物のむれを離れた。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ワカとは他府県の市子いちこ口寄せのことで、種々の予言をするものである。また、天狗てんぐについては名高い古峰こぶはらがあるも、ここには略しておく。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
博士神巫いちこが、亭主が人殺しをして、唇の色まで変って震えているものを、そんな事ぐらいでめはしない……冬の日の暗い納戸で
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
神巫いちこたちは、数々しばしば、顕霊を示し、幽冥ゆうめいを通じて、俗人を驚かし、郷土に一種の権力をさえ把持はじすること、今も昔に、そんなにかわりなく、奥羽地方は、特に多い、と聞く。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
尊氏は、弟をそこまで送り出して、同時に東下とうげする諸将たちへも、いちいち一顧いちこずつの別れを送った。
……松崎は実は、うらわかい娘の余り果敢はかなさに、亀井戸もうで帰途かえるさ、その界隈かいわいに、名誉の巫子いちこを尋ねて、そのくちよせを聞いたのであった……霊のきたったさまは秘密だから言うまい。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
元来女の性質は単純シンプルな物事に信じ易いものだから、尚更なおさらこういうことが、いちじるしく現われるかもしれぬ。それがめか、かの市巫いちこといったものは如何いかにも昔から女の方が多いようだ。
テレパシー (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
彼は加持かじ祈祷きとう御封ごふう虫封むしふうじ、降巫いちこたぐいに、全然信仰をつほど、非科学的に教育されてはいなかったが、それ相当の興味は、いずれに対しても昔から今日こんにちまで失わずに成長した男である。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)