“いっこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一顧50.0%
一箇15.0%
一己15.0%
一個5.0%
一鼓5.0%
一呼2.5%
一壺2.5%
一戸2.5%
一狐2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私の深切しんせつ一顧いっこをも与えず、邪魔だからどいて居れと叱った所のその人を、私は今でも数人の臨検者の中から見付け出すことが出来る。
一枚の切符 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
人間は、自分が一箇いっこの石ころであるのを、その現実を、つねに拒否しつづけなくちゃ、いけないんだ。……
軍国歌謡集 (新字新仮名) / 山川方夫(著)
今般自分が上京する主意は将軍の進発もあらせらるる時勢を傍観するに忍びないからであって、全く一己いっこの微忠を尽くしたい存慮にほかならない、この上
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
見れば渠らの間には、被布着たる一個いっこ七、八歳の娘を擁しつ、見送るほどに見えずなれり。
外科室 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一鼓いっこ六足を踏んで、敵陣へ迫ってゆくように太鼓は鳴った。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また山崎こそは単身で、あとを追いかけたようなものだが、甲府の地へ足を踏み入れた時は、勤番の武士は一呼いっこして皆、その味方になるべきはずである。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
一壺いっこあり破魔矢はまやをさすにところを得
五百五十句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
かかげることになり親の家を出て淀屋橋よどやばし筋に一戸いっこを構えた同時に佐助もいて行ったのである。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
千羊せんようの皮は一狐いっこえきにしかずと云って、君はいつでもこの袖無を一着している。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)