一個いっこ)” の例文
驚破すわといふ時、綿わたすじ射切いきつたら、胸に不及およばず咽喉のんど不及およばずたまえて媼はただ一個いっこ朽木くちきの像にならうも知れぬ。
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
見れば渠らの間には、被布着たる一個いっこ七、八歳の娘を擁しつ、見送るほどに見えずなれり。
外科室 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)