“かんなぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
神巫26.7%
20.0%
神禰宜6.7%
巫子6.7%
官主6.7%
巫女6.7%
巫祝6.7%
巫覡6.7%
師巫6.7%
6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そばに彼らと連れ立った二人の神巫かんなぎは、もう、花桐のそばにくると、指を反らせ、呪文のようなものをとなえはじめた。陰陽師は再び花桐にこれから後にも、男と逢引あいびきするかどうかを尋ねた。
花桐 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
そこでかんなぎが孫の着ふるしの着物と草で織った敷物をもって豪商へ往った。阿宝はその事情を聞いてひどくおどろき、他へ往かさずにすぐに自分の室へあげて魂を招かした。
阿宝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
五社明神の階段きざはしに腰かけて、こう呟きながら童顔のまなじりをつぶった老翁は、即ちここの荒れ宮を守る神禰宜かんなぎ橘左典たちばなさでんであった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
見ると、白昼の如き神前に、神禰宜かんなぎの左典と白衣の人が上段下段に木太刀をつけて、火をるような荒稽古。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
巫子かんなぎ祝詞のつとをはり、湯の沸上わきあがるにおよびて、吉祥よきさがには釜の鳴るこゑ牛のゆるが如し。あしきは釜に音なし。是を吉備津の御釜祓みかまばらひといふ。
なほさいはひを神に祈るとて、三八巫子かんなぎ祝部はふりを召しあつめて、三九御湯みゆをたてまつる。そもそも当社に祈誓いのりする人は、四〇数の祓物はらへつものそなへて御湯みゆを奉り、吉祥よきさが凶祥あしきさがうらなふ。
「山伏、修験者、巫女みこ官主かんなぎ、こういう手合いが従っているそうじゃ」
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
こうなると話にも尾鰭おひれがついて、やれあすこの稚児ちごにも竜がいて歌を詠んだの、やれここの巫女かんなぎにも竜が現れて託宣たくせんをしたのと、まるでその猿沢の池の竜が今にもあの水の上へ
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そうして、彼は薫炉の上で波紋を描く煙のあやを見詰めながら、今や巫祝かんなぎの言葉を伝えようとした時、突然、長羅は彼の傍へ飛鳥のように馳けて来た。
日輪 (新字新仮名) / 横光利一(著)
いはば巫覡かんなぎいからしく
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
これは、曹娥そうがと申すものの碑文でございます。昔、和帝かていの朝、会稽かいけい上虞じょうぐというところに、曹旴そうくと申す一人の師巫かんなぎがおりました。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一 みこかんなぎなどの事に迷て神仏を汚し近付ちかづきみだりいのるべからず。只人間の勤をよくする時は祷らず迚も神仏は守り給ふべし。
女大学評論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)