神巫かんなぎ)” の例文
また一面に純潔を好む神道の如き宗教上の儀式に処女を神巫かんなぎとして奉祀ほうしする習慣が出来てから、女子を尊敬することは一通りでなくなった。
私の貞操観 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
そばに彼らと連れ立った二人の神巫かんなぎは、もう、花桐のそばにくると、指を反らせ、呪文のようなものをとなえはじめた。陰陽師は再び花桐にこれから後にも、男と逢引あいびきするかどうかを尋ねた。
花桐 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
鋼叉さすまたに髮をからまれて、蜘蛛よりも手足を縮めてゐる女は、神巫かんなぎたぐひでゞもございませうか。手矛てほこに胸を刺し通されて、蝙蝠のやうに逆になつた男は、生受領なまずりやうか何かに相違ございますまい。
地獄変 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
鋼叉さすまたに髪をからまれて、蜘蛛よりも手足を縮めてゐる女は、神巫かんなぎたぐひでゞもございませうか。手矛てほこに胸を刺し通されて、蝙蝠かはほりのやうに逆になつた男は、生受領なまずりやうか何かに相違ございますまい。
地獄変 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)