三味線しやみせん)” の例文
長吉ちやうきち蘿月らげつ伯父をぢさんのつたやうに、あの時分じぶんから三味線しやみせん稽古けいこしたなら、今頃いまごろかく一人前いちにんまへの芸人になつてゐたに違ひない。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
この三味線しやみせんに合せて、小林君が大津絵おほつゑのかへ唄を歌つた。なんでも文句もんく半切はんせつに書いたのが内にしまつてあつて、それを見ながらでないと、理想的には歌へないのださうである。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
寂しい三味線しやみせんがちんちんと鳴り出すまで
北原白秋氏の肖像 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
つぎなるはろうしぬる清きあま三味線しやみせんける。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
風の吹くよな三味線しやみせん
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
子供の時から朝夕あさゆふに母が渡世とせい三味線しやみせんくのが大好きで、習はずして自然にいと調子てうしを覚え、町をとほ流行唄はやりうたなぞは一度けばぐに記憶きおくするくらゐであつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
鹿島龍蔵かしまりゆうざう これも親子ほど年の違ふ実業家なり。少年西洋に在りし為、三味線しやみせん御神燈ごしんとうを見ても遊蕩いうたうを想はず、その代りになまめきたるランプ・シエエドなどを見れば、忽ち遊蕩をおもふよし。
田端人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
すると午前ほどには人通ひとゞほりがないのにず安心して、おそる/\松葉屋まつばやの前をとほつて見たが、うちの中は外から見ると非常に暗く、人の声三味線しやみせんの音さへきこえなかつた。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
すると、体操は忘れたが、縄飛びなら覚えてゐると云ふ答へがあつた。ぢややつてお見せと云ひたかつたが、三味線しやみせんがし出したから見合せた。もつともさう云つても、恐らくやりはしなかつたらう。
京都日記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)