三味線ざみせん)” の例文
「義太夫は」「ようよう久しぶりお出しなね。」と見た処、壁にかかったのは、蝙蝠傘こうもりがさほうきばかり。お妻が手拍子、口三味線ざみせん
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一人淋しき老爺おやぢ三味線ざみせんかかへて行くもあり、六つ五つなる女の子に赤襷あかだすきさせて、あれは紀の国おどらするも見ゆ、お顧客とくい廓内かくないに居つづけ客のなぐさみ、女郎の憂さ晴らし
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
三味線ざみせんで間にあって、そのまま動けば、筒袖つつッぽも振袖で、かついだ割箸が、柳にしない、花に咲き、さす手の影は、じきそこの隅田の雲に、時鳥ほととぎすがないたのである。
開扉一妖帖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
よきをんなもありをとこもあり、五にんにんにんくみおほたむろもあれば、一にんさびしき老爺おやぢ三味線ざみせんかゝへてくもあり、六つ五つなるをんな赤襻あかだすきさせて、あれはくにおどらするも
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)