“ひうち”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
52.5%
燧石18.0%
火打11.5%
燧袋4.9%
燧打3.3%
燧打石3.3%
火打石1.6%
火燧1.6%
燧火1.6%
燧金1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
けれども、北陸線ほくりくせんつうじなかつた時分じぶん舊道きうだう平家物語へいけものがたり太平記たいへいき太閤記たいかふきいたるまで、だたる荒地山あらちやまかへる虎杖坂いたどりざか中河内なかのかはちひうちたけ
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
裏丘へのぼる小径こみちは孟宗の林に見えて、その籔の上の日向に蜜柑もぐ人もよく見ゆ。声高にさては語りて燧石ひうち切る莨火たばこびも見ゆ。
村中へ知らせず日暮ひぐれて立出させし所に猿島さるしま河原迄いた火打ひうち道具を失念しつねん致したるを心付昌次郎はとり立戻たちもどる時私しは又たくにて心付子供等があと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
年上のほうが莨入たばこいれ燧袋ひうちを出し、なたまめきせるでゆうゆうと一服つけた。
風流太平記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
ゆかに清浄なむしろべてあった。具足櫃ぐそくびつがそこに出されてある。籠手こて脛当すねあて、胴、腹巻などの物具はいうもおろか、金創薬きんそうやく燧打ひうち、弾薬入れ、すべて身にまとうばかりに揃えてあるのだった。
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
長襦袢ながじゅばんのまま部屋を片づけて、お蔦は行燈あんどんに向かって、燧打石ひうちっている。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あの高い所から、一気に降りて来た折なので、異議に及ばず、日本左衛門も腰をおろして、カチ、カチ、と涼しい火打石ひうちを磨りました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手足を洗うならば、風呂場に火打石ひうちまきもある、ともあれ、夜中やちゅうでは里へも出られまいから、今夜はこの空家にやすんでゆくとするさ。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
火燧ひうちをもて発燭つけぎに火をてんこゝろみに池中になげいれしに、池中ちちゆう火をいだせし事庭燎にはびのごとし。水上に火もゆるは妙法寺村の火よりも也として駅中えきちゆうの人々きたりてこれをる。
また、常州土浦町、五頭氏の報知によれば、「盆の裏へ狐狗狸の三字を指頭にて書き、それに風呂敷ようのものを掛け、これに燧火ひうちをいたす、云云うんぬん
妖怪玄談 (新字新仮名) / 井上円了(著)
老婆は静かに立ち上がって牛酪バタ皮袋ふくろを取り出した。其処から牛酪を一摘み出して灯皿の中へ大事そうに入れて羊毛の燈心を差しくべて燧金ひうちから夫れへ火を移した。
喇嘛の行衛 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)