火打石ひうち)” の例文
あの高い所から、一気に降りて来た折なので、異議に及ばず、日本左衛門も腰をおろして、カチ、カチ、と涼しい火打石ひうちを磨りました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
手足を洗うならば、風呂場に火打石ひうちまきもある、ともあれ、夜中やちゅうでは里へも出られまいから、今夜はこの空家にやすんでゆくとするさ。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
釘勘は腰をさぐッて火打石ひうちり、やがて、暗いなかに、トロトロと燃えあがる松のにおいのある火を取りかこんで
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)