火打ひうち)” の例文
命はおんおば上のおおせを思い出して、急いで、例の袋のひもをといてごらんになりますと、中には火打ひうちがはいっておりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
村中へ知らせず日暮ひぐれて立出させし所に猿島さるしま河原迄いた火打ひうち道具を失念しつねん致したるを心付昌次郎はとり立戻たちもどる時私しは又たくにて心付子供等があと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そこで欺かれたとお知りになつて、叔母樣のヤマト姫の命のお授けになつた嚢の口を解いてあけて御覽になりましたところ、その中に火打ひうちがありました。
真正面より斬りかゝる。その時、和尚の手中の火打ひうち種子島たねがしま、パチリと音せしのみにて轟薬発せず。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
カチッ……と奥で火打ひうちが鳴ったのはその時で、いつか、暖簾のれんの内は外より早く日が暮れている。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
六郎の家来の一人は、火打ひうちを出してこつこつ打ちはじめた。
頼朝の最後 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
命はそれで、急いでお宝物たからもの御剣みつるぎいて、あたりの草をどんどんおなぎ払いになり、今の火打ひうちでもって、その草へ向かい火をつけて、あべこべに向こうへ向かってお焼きたてになりました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
河原に待せ其身は取て返しける時に昌次郎夫婦は出立のあと火打ひうちのこつて有る故急ぎ忘れしと見えたりとゞくれんと親の上臺は後よりたづさへはせたりしが昌次郎とは往違ゆきちがひに成たり偖又はなしかはつて此猿島河原は膝丈の水成しが一人の雲助わかき女を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そこで、釘勘は火打ひうちる。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
火打ひうち合戦