“寸燐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
まつち60.0%
マッチ20.0%
まっち20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
人の女房にだけはならずに居て下されと異見を言はれしが、悲しきは女子の身の寸燐まつちの箱はりして一人口過しがたく、さりとて人の臺處を這ふも柔弱の身體なれば勤めがたくて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「はあい。こうやってたきぎを切っては城下じょうかへ持って出ます」と源兵衛は荷をおろして、その上へ腰をかける。煙草入たばこいれを出す。古いものだ。紙だかかわだか分らない。余は寸燐マッチしてやる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
砂糖水をもりたる硝盃こっぷ其儘そのまゝにして又其横手には昨日の毎夕新聞一枚とほか寸燐まっちの箱一個あり、小棚の隅に置きたる燭台は其蝋燭既に燃尽もえつくせしかど定めし此犯罪を照したるものならん
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)