寸燐まつち)” の例文
人の女房にだけはならずに居て下されと異見を言はれしが、悲しきは女子の身の寸燐まつちの箱はりして一人口過しがたく、さりとて人の臺處を這ふも柔弱の身體なれば勤めがたくて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
人の女房にだけはならずにゐて下されと異見を言はれしが、悲しきは女子をなごの身の寸燐まつちの箱はりして一人口ひとりぐちすぐしがたく、さりとて人の台処を這ふも柔弱の身体からだなれば勤めがたくて
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
ひと女房にようぼうにだけはならずにくだされと異見ゐけんはれしが、かなしきは女子をなご寸燐まつちはこはりして一人口ひとりぐちすぐしがたく、さりとてひと臺處だいどころふも柔弱にうじやく身體からだなればつとめがたくて
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)