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失敗
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しくじり
ふりがな文庫
“
失敗
(
しくじり
)” の例文
さもありさうな事で、酒は酒飲み自身の知らない色々な善い事をするものだから、少し位悪い
失敗
(
しくじり
)
があつたつて少しの差支もない。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
天竜寺へ参詣と見せて
籠抜
(
かごぬ
)
けだ、それにあの坊さんに腹ん中まで見透かされて、命からがら逃げ出して来たなんぞは、近来に無え図の
失敗
(
しくじり
)
だ
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
旦那の
心地
(
こころもち
)
は私によく解る。真実に、その方の
失敗
(
しくじり
)
さえなかったら、旦那にせよ、正太にせよ……私は惜しいと思いますよ
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
無論
(
むろん
)
千葉
(
ちば
)
さんの
方
(
はう
)
からさとあるに、おやあの
無骨
(
ぶこつ
)
さんがとて
笑
(
わら
)
ひ
出
(
だ
)
すに、
奧樣
(
おくさま
)
苦笑
(
にがわら
)
ひして
可憐
(
かわい
)
さうに
失敗
(
しくじり
)
の
昔
(
むか
)
し
話
(
ばな
)
しを
探
(
さぐ
)
り
出
(
だ
)
したのかと
仰
(
おつ
)
しやれば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
彼らは、お江戸日本橋をふり出してから、京の都へ落ちつくまで、東海道の五十三
次
(
つぎ
)
、どの宿でも、どこの宿場でも、ほんとうに
失敗
(
しくじり
)
のし通しです。
般若心経講義
(新字新仮名)
/
高神覚昇
(著)
▼ もっと見る
「先にゃあ、去年の
失敗
(
しくじり
)
がある。よもや今年は、のめのめ
掠奪
(
かす
)
められるような
凡
(
ぼん
)
くらを警固としては出かけまい」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すんでのことで追っつかれるとこだったが、ついぞない自分の
失敗
(
しくじり
)
を考えると、わしは安閑としてはいられないのだ。このごろおっかねえ風が吹いて来たぜ
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
南京米の事ばかり書いて済まないから、もうやめにするが、この時自分の
失敗
(
しくじり
)
に対する冷評は、自然のままにして
抛
(
ほう
)
って置いたなら、どこまで続いたか分らない。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
容態が思はしくない間は、誰れしも警戒しますが、少し
快
(
よ
)
くなるとついお調子に乗つて瑣細なことを
等閑
(
なほざり
)
にして、そのために飛んだ
失敗
(
しくじり
)
を引きおこし易いものです。
〔婦人手紙範例文〕
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
おなじ店の若い者や、
河岸
(
かし
)
の荷あげの
軽子
(
かるこ
)
なども四、五人打ちまじって、何か賑やかにしゃべっていた。喜平もその群れにはいって、ゆうべの
失敗
(
しくじり
)
ばなしをはじめた。
半七捕物帳:43 柳原堤の女
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
墨汁の染みた海綿にペンを引っかけて容れ物を落したり、粗忽な良人はよく
失敗
(
しくじり
)
をした。
茶粥の記
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
社長の曽我とも
知己
(
しりあい
)
の
間
(
なか
)
でこの間の
失敗
(
しくじり
)
を根に持ってよほど卑怯な申立てをしたものと見えて、始めは大分事が大げさであったのを、幸いに足立駅長が非常に人望家であったために
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
つまり、そんな人一倍のそそっかし屋だから、人生の戦い、芸の修業にも、はじめにあわてて喜んでしまい、とんだ
失敗
(
しくじり
)
をやらかしたようなことになってしまったのかもしれませんや。
初看板
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
その前に入られたのは、中の郷の
長源寺
(
ちやうげんじ
)
といふ寺、これも手口は同じことですが、奪られたのはほんの二三兩、住職がつましいので、金があるといふ評判に釣られた泥棒の
失敗
(
しくじり
)
とわかりました。
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「何か
失敗
(
しくじり
)
でもしたろ。」
主婦
(
あるじ
)
はニヤニヤした。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
何か飛んでもない
失敗
(
しくじり
)
でもしなければ、滅多に
他人
(
ひと
)
に名前を知られさうもない男だが、
幸福
(
しあはせ
)
な事には一つ
失敗譚
(
しくじりばなし
)
を持つてゐる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
いえ、なあに、つまらないことなのですが、うちの若い者が……いいえ、以前うちに使っていた若い奴が、気が早いものですから、旅に出て、
失敗
(
しくじり
)
を
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「その場合々々で当然の事を遣るんでしょうけれども、その当然がやっぱり
失敗
(
しくじり
)
になるんでしょう」
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その他種々様々の
失敗
(
しくじり
)
と後悔と
羞
(
はず
)
かしい思いとを残した四年の間の記憶の土地からも離れて行った。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その前に入られたのは、
中
(
なか
)
の
郷
(
ごう
)
の
長源寺
(
ちょうげんじ
)
という寺、これも手口は同じことですが、
奪
(
と
)
られたのはほんの二三両、住職がつましいので、金があるという評判に釣られた泥棒の
失敗
(
しくじり
)
とわかりました。
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「その祭については、実は、
失敗
(
しくじり
)
ばなしがありますので——」
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
キリストは以前西班牙の山の中で羊飼を梟にした
失敗
(
しくじり
)
を思い出して、自分が不用意に洩した言葉がそのまま実現せられてゆくのに驚きました。
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
見世物小屋の
失敗
(
しくじり
)
などはかなり大きな失敗でしたけれども、それがために
古市
(
ふるいち
)
における場合のように、槍を振り廻すことのなかったのはまだしもの幸いでしたが
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
所
(
ところ
)
が
丁度
(
ちやうど
)
五月目
(
いつつきめ
)
になつて、
御米
(
およね
)
は
又
(
また
)
意外
(
いぐわい
)
の
失敗
(
しくじり
)
を
遣
(
や
)
つた。
其頃
(
そのころ
)
はまだ
水道
(
すゐだう
)
も
引
(
ひ
)
いてなかつたから、
朝晩
(
あさばん
)
下女
(
げぢよ
)
が
井戸端
(
ゐどばた
)
へ
出
(
で
)
て
水
(
みづ
)
を
汲
(
く
)
んだり、
洗濯
(
せんたく
)
をしなければならなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私が
彼
(
あれ
)
に言って聞かせて、
父親
(
おとっ
)
さんも女のことでは度々
失敗
(
しくじり
)
が有ったから、それをお前は見習わないように、世間から
後指
(
うしろゆび
)
を差されないようにッて——ネ、
種々
(
いろいろ
)
彼に言うんだけれど……ええええ
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
馬政局長官浅川中将の
談
(
はなし
)
によると、陸軍当局では、先年の
失敗
(
しくじり
)
に懲りずに、今度また馬券を売出さうと計画中だといふ事だ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「其場合々々で当然の事を遣るんでせうけれども、其当然が矢っ張り
失敗
(
しくじり
)
になるんでせう」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
瓦っかけを抱かされちまったのが一代の
失敗
(
しくじり
)
、これじゃ商売
冥利
(
みょうり
)
に尽きるといったようなわけで、再挙を試みたが、さいぜん申し上げる通りの用心堅固、大津まであとをつけて
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
しかし畜生ながらに賢いもので、その日の
失敗
(
しくじり
)
を
口惜
(
くちお
)
しく思うものと見え、ただ
悄々
(
しおしお
)
として、首を垂れておりました。
二重※
(
ふたえまぶち
)
の大な眼は紫色に潤んで来る。
幽
(
かすか
)
に
泄
(
もら
)
す声は深い
歎息
(
ためいき
)
のようにも聞える。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その新村氏が最近一つの
失敗
(
しくじり
)
をした。と言つても何も専門の言語学の事ではないのだから、どうか安心して欲しい。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
ところがちょうど
五月目
(
いつつきめ
)
になって、御米はまた意外の
失敗
(
しくじり
)
をやった。その頃はまだ水道も引いてなかったから、朝晩下女が井戸端へ出て水を汲んだり、洗濯をしなければならなかった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
若いうちの
失敗
(
しくじり
)
は誰もあることじゃ、そのうちには自分も忘れ、世間も忘れる、その
頃合
(
ころあ
)
いを見計らって、わしはお前をつれて亀山へ行き、
詫
(
わ
)
び
言
(
ごと
)
をして、めでたく元へ納めるつもりだ
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
文学博士芳賀矢一氏は、酔つ払つてよくいろんな
失敗
(
しくじり
)
をする。尤も芳賀氏の説によると、それは酒のさせる
業
(
わざ
)
で、芳賀氏自身の知つた事では無いさうである。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「命からがら引上げて来ましたが、いや今度という今度は
失敗
(
しくじり
)
つづき、先生のところで
失敗
(
しくじ
)
って、それから坊さんでまた失敗りました。こうなっちゃ、がんりきも
焼
(
やき
)
が廻って、少々心細くなりました」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「ほんとうに
忌々
(
いまいま
)
しいたらありゃしない。ひとの
失敗
(
しくじり
)
を自分の
幸福
(
しあわせ
)
にするなんて。今度出逢ったが最後、この剣でもって思いきりみなの
復讐
(
しかえし
)
をしてやらなくっちゃ。」
艸木虫魚
(新字新仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「はい。」
浅葱
(
あさぎ
)
服の職工は飛んだ
失敗
(
しくじり
)
でも見つけられたやうに恐縮した。
茶話:07 大正十四(一九二五)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
今日は一つその蛇の
失敗
(
しくじり
)
ばなしをここに御披露する。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
滅多に
失敗
(
しくじり
)
なぞしなかつた。
茶話:05 大正八(一九一九)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
如来
(
によらい
)
の
失敗
(
しくじり
)
10・16(夕)
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
“失敗”の解説
失敗(しっぱい)
失敗
(出典:Wikipedia)
失
常用漢字
小4
部首:⼤
5画
敗
常用漢字
小4
部首:⽁
11画
“失敗”で始まる語句
失敗話
失敗者
失敗談
失敗譚
失敗箇所