失敗しつぱい)” の例文
うですね、年少としわか田舍ゐなか大盡だいじんが、相場さうばかゝつて失敗しつぱいでもしたか、をんな引掛ひつかゝつてひど費消つかひぎた……とでもふのかとえる樣子やうすです。
艶書 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ことに今日けふあたま具合ぐあひくないので、ぜんむかつても、御米およね何時いつものやうつとめるのが退儀たいぎであつた。つとめて失敗しつぱいするのはなほいやであつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
焦燥あせつてほりえようとしては野茨のばらとげ肌膚はだきずつけたり、どろ衣物きものよごしたりにが失敗しつぱいあぢめねばならぬ。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
其の動機は事業の失敗しつぱいで、奈何いか辛辣しんらつ手腕しゆわんも、一度逆運ぎやくうんに向ツては、それこそなたの力を苧売おがらで防ぐ有様ありさまであつた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
失敗しつぱいあり、喜怒きど有り哀楽あいらくありで、一部の好小説こうせうせつが出来るのです、でまた今後の硯友社けんいうしや如何いかにふのも面白おもしろい問題で、九年の平波へいはさをさしてわたし気運きうん
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
けれども、わざ/\つくりかへようといふかんがへをつたときには、たいてい失敗しつぱいして、もとうたから獨立どくりつしたねうちのない、文學的ぶんがくてきにはだめなものがおほいのであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
それから十ちやうへだたつてらぬ加瀬かせ貝塚かひづかまはつて、小發掘せうはつくつこゝろみ、相變あひかはらず失敗しつぱいして歸宅きたくした。
で、かれはムキになればなるだけ教練けうれん武術ぶじゆつ失敗しつぱいし、上官達じやうくわんたちしかりつけられ、戰友達せんいうたちにはなぶりものにされるのだつた。——どくだな‥‥と、おもふことがわたし度々たび/\あつた。
一兵卒と銃 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
あなたにおわかれしてからの電車でんしやなかで、私は今夜こんやはじめて乘越のりこしといふ失敗しつぱいをしました。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
あつ これはとんだ失敗しつぱいだ あなたのおとうさんの大事なヒゲを つぱつてしまつたわい
一人の知らるべき事は百人に、百人に知らるべき事は萬人の目の前に顯はして、不出來も失敗しつぱいも功名も手柄も、對手あいて多數おほくに取りて晴れの塲所にて爲すぞよき、衆人ひとの讀むべき書物ほんをよみ
花ごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
其所そこなにはじめるかとおもふと、遼河れうが利用りようして、豆粕大豆まめかすだいづふねくだす、大仕掛おほじかけ運送業うんそうげふ經營けいえいして、たちま失敗しつぱいしてしまつたのださうである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
うして失敗しつぱいでもして、一人ひとりさびしくあるいてると、あゝ、あのとき二人連ふたりつれあとから活東くわつとう花舟くわしうと、あゝ、二人共ふたりともんでしまつた。茶店ちやみせ息子むすこ忠實ちうじつはたらいてれたが、あれもんだ。
こりや失敗しつぱい しかし実験室じつけんしつはまだ零下れいか四十度そこそこなんだよ
叔父をぢ事業家じげふか色々いろ/\ことしては失敗しつぱいする、はゞ山氣やまぎおほをとこであつた。宗助そうすけ東京とうきやうにゐる時分じぶんも、よく宗助そうすけちゝけては、うまことつてかねしたものである。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
んなことだい日目かめ失敗しつぱい
あつ これは失敗しつぱい
失敗しつぱいして此日このひ切上きりあげた。