故郷うち)” の例文
「これでは冬籠りも出來ないね。早く東京へ歸ることにしようか。」と、榮一は故郷うちの樣子を見たゞけで滿足して、再び都の小さい借家へ歸らうとした。
入江のほとり (旧字旧仮名) / 正宗白鳥(著)
「私は、今、漢江の神女となっていますから、故郷うちへ帰ることはすくないのですが、鴉の使いが二度も来て、あなたの御心切を知らしてくれましたから、お眼にかかりに来たのです」
竹青 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)