故郷さと)” の例文
彼は母山吹の故郷さと! の血統窩人の部落! 信州八ヶ嶽笹の平へ、夢遊病者のそれのように、フラフラと歩いて行ったのであった。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
やがて国許くにもとへ立帰る侍が、大路の棟の鬼瓦をながめて、故郷さとに残いて、月日を過ごいた、女房の顔を思出おもいいで、たえて久しい可懐なつかしさに、あの鬼瓦がその顔に瓜二つじゃと申しての
白金之絵図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)