“でいり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
出入92.6%
喧嘩3.7%
争論0.7%
凸凹0.7%
出人0.7%
泥犁0.7%
泥黎0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この野だは、どういう了見りょうけんだか、赤シャツのうちへ朝夕出入でいりして、どこへでも随行ずいこうしてく。まるで同輩どうはいじゃない。主従しゅうじゅうみたようだ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
賭場の喧嘩でいりで長脇差を喰らったらしいやくざ者など、そういった物凄い手傷者ておいが、世をはばかり気に爪さき上り、山へ、この阿弥陀沢へ、と志すのだった。
煩悩秘文書 (新字新仮名) / 林不忘(著)
その後、長崎屋との争論でいりは、どんなことになったであろう——自分が投げてやった、毒菓子に、ガブリとむしゃぶりついた二人の男の成りゆきが聴きたかった。
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
青田の高低たかひくふもと凸凹でいりに従うて、やわらかにのんどりした、この一巻ひとまきの布は、朝霞には白地の手拭てぬぐい、夕焼にはあかねの襟、たすきになり帯になり、はてすすきもすそになって、今もある通り、村はずれの谷戸口やとぐち
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
今歳ことし今日けふ十二ぐわつの十五にち世間せけんおしつまりてひと往來ゆきかひ大路おほぢにいそがはしく、お出人でいり町人てうにん歳暮せいぼ持參ぢさんするものお勝手かつて賑々にぎ/\しく、いそぎたるいゑにはもちつきのおとさへきこゆるに
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
眞下まつくだりに下る時は泥犁でいりの底に落る如くまた急なる塲所を
木曽道中記 (旧字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
知者は三千里外にその臭を避け、昧者まいしやは一弾指間しかんにその毒にあたる。思ふに是泥黎でいり口業こうげふ羅貫中らくわんちう水滸伝すゐこでんを作つて、三生唖子さんせいあしを生むとせば、寿陵余子また骨董羹を書いて、そも如何いかん冥罰みやうばつをか受けん。