“そうとう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
掃蕩26.5%
相当16.2%
掃討11.8%
争闘10.3%
相當7.4%
双刀2.9%
双頭2.9%
層塔2.9%
総統2.9%
相等1.5%
争奪戦1.5%
剿蕩1.5%
勦蕩1.5%
勦討1.5%
想到1.5%
捜討1.5%
曹騰1.5%
諍闘1.5%
蹭蹬1.5%
鎗刀1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
よく考えると何にもないのに、通俗では森羅万象しんらばんしょういろいろなものが掃蕩そうとうしても掃蕩しきれぬほど雑然として宇宙に充牣じゅうじんしている。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
父親ちちおやは、なまもので、その教育きょういくができないために、行商ぎょうしょうにきたひとにくれたのが、いま一人前にんまえおとことなって、都会とかい相当そうとうみせしている。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
秀吉は、ここを尼子一党に預け、但馬たじま播磨はりま掃討そうとうを片づけると、ひとまず安土へ凱旋した。明けて天正六年の一月、湖南の春色は若かった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
机博士の暗室あんしつにもぐりこんでいた春木清と牛丸平太郎は、思いがけなくも博士対首領のすさまじい争闘そうとうを見た。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
だから近頃ちかごろうた文學ぶんがくうへからは、かういふ態度たいどはよいとはいへないが、それにしてもつくつたものが相當そうとうによければ、やはりよいといふよりほかはありません。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
塾生裸体当時は士族の世の中だから皆大小はして居る、けれども内塾生ないじゅくせい五、六十人の中で、私は元来物を質入れしたことがないから、双刀そうとうはチャントもって居るそのほか、塾中に二腰ふたこし腰もあったが
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
手にろう双頭そうとう茉莉まつりの枝
愛卿伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
図の上半部を成している彼方むこうには翠色すいしょく悦ぶべき遠山が見えている、その手前には丘陵が起伏している、その間に層塔そうとうもあれば高閤こうこうもあり、黒ずんだ欝樹うつじゅおおうたそばもあれば
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
ヒトラー総統そうとうのような、短い口髭くちひげをたくわえた、目付の鋭い男だという。
秘境の日輪旗 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
わしは怪しい者ではない。相等そうとうの官位のある者だ。心配するには及ばない。私に事情を話すがよい。そなたはどこから参ったな?」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「さよう、相等そうとうござります」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
日給袋のはいったざるが廻って来ると、私達はしばらくは、激しい争奪戦そうとうを開始して、自分の日給袋を見つけ出す。——夕方、たすきを掛けたまま工場の門を出ると、お千代さんが、後から追って来た。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
たとえば、古エジプトの神ホルスは、日を右眼とし、月を左眼とし、その眼力能く神敵たる巨蛇アペプをくびきる。また神怒れば、その眼力叢林を剿蕩そうとうす。
官公吏が神社を勦蕩そうとう滅却せる功名高誉とりどりなる中に、伊勢、熊野とて、長寛年中に両神の優劣を勅問ありしほど神威高く、したがって神社の数はなはだ多かり
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
「伊丹城はまった陥滅かんめつ。残党の勦討そうとう、信忠様、信澄様以下、お味方の入城もおわりました」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
眼前の実在のみに注意力や情熱を集中して、遙かなる未来世界について夢を持つことをしらず、従ってその夢から素晴らしい現実の発展が起こることにも想到そうとうしなかった。あああわれなりし人類よ……
海底都市 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それとも何人なにひとかの手に帰して、何処どこかに埋没しているであろうか。これを捜討そうとうせんと欲するに、由るべき道がない。保さんは今に迨るまで歎惜してまぬのである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
彼の養祖父の曹騰そうとうは、漢朝の中常侍ちゅうじょうじであるから、いわゆる宦官かんがんであり、宦官なるが故に、当然、子はなかった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
国老の中に悪人と内通する者がいて、政治はみだれ、家中には諍闘そうとうが絶えず、領民は困窮している、これでは伊達家の将来も危ぶまれるから、幕府老中の力で政治の安定を計ってもらいたい。
「左様——蹭蹬そうとうとして他の宝を数えるのは知恵のない骨頂ですが、いったい、あなたがこの際、ぜひ覚えて置けとおっしゃる伊達家の至宝とは何物ですか」
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
王急に走りてつつみに登り、いつわってむちさしまねいで、後継者を招くが如くしてわずかまぬかれ、而してまた衆を率いてせて入る。平安鎗刀そうとうを用い、向う所敵無し。燕将陳亨ちんこう、安の為に斬られ、徐忠亦きずこうむる。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)