掃討そうとう)” の例文
「どうも、ゆゆしいことに相成りましたな。何せい、朝廷直々じきじき掃討そうとう軍ですら、たびたび打ち負かされて手を焼いているあいつらのこと」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
秀吉は、ここを尼子一党に預け、但馬たじま播磨はりま掃討そうとうを片づけると、ひとまず安土へ凱旋した。明けて天正六年の一月、湖南の春色は若かった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ひとつ将軍がここで、烏騅うすいをとり返す事のついでに、それらの賊徒をも掃討そうとうしてみませんか。さすれば、大いに、ちょうへおとりなしの儀もしよいと思うが
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
幾たび目かの、木曾川きそがわをわたり、翌日、二宮山にのみやざんに出て、敵情を偵察ていさつし、転じて、二十八日には、小折こおり附近の敵の散兵を掃討そうとうし、附近を、火攻めにして、ひっ返した。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今頃はもう洛中近畿きんきにわたる残兵の掃討そうとうから、戦後の布令まで掲示し終っていた時分であったのだ。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
忽ち来て忽ち去る私兵的勢力か、また、それを掃討そうとうして国守群守と称する者が現われても、徳なく威なく長計なく、ただ民にり民にび、汗税かんぜいの追求のみを能とした。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
北京の難を、直接、救わんとすれば大きな犠牲を要しますが、彼らの留守を襲って、先に、梁山泊をおとしてしまえば、元々、烏合うごうしゅう、あとは苦もなき掃討そうとうでかたづきましょう
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「おことの手勢は、但馬へ入って、但馬に散在する別所の与党を掃討そうとうして来い」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——各地にひそむ、大塔ノ宮一味や楠木の残党を掃討そうとうのために」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
掃討そうとうも終りを告げかけていた。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)