層塔そうとう)” の例文
唐代このかた、歴朝の帰依きえふかく、その勅額は、あけ楼閣ろうかくにも仰がれる。渓谷けいこくの空には、こけさびた石橋しゃっきょうが望まれ、山また山の重なる奥までも、十三層塔そうとうかすんで見えた。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
図の上半部を成している彼方むこうには翠色すいしょく悦ぶべき遠山が見えている、その手前には丘陵が起伏している、その間に層塔そうとうもあれば高閤こうこうもあり、黒ずんだ欝樹うつじゅおおうたそばもあれば
観画談 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)