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掃蕩
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そうとう
ふりがな文庫
“
掃蕩
(
そうとう
)” の例文
かるが故に、新たなる啓示が出現した時には、
先
(
ま
)
ず
以
(
もっ
)
て、
旧
(
ふる
)
い啓示の上に築き上げられた迷信の大部分を
掃蕩
(
そうとう
)
するの必要に迫られる。
霊訓
(新字新仮名)
/
ウィリアム・ステイントン・モーゼス
(著)
よく考えると何にもないのに、通俗では
森羅万象
(
しんらばんしょう
)
いろいろなものが
掃蕩
(
そうとう
)
しても掃蕩しきれぬほど雑然として宇宙に
充牣
(
じゅうじん
)
している。
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
鰥寡孤独
(
かんかこどく
)
は常の年には仲間によって支持せられるが、何か異常の大事変があると、まず是らの抵抗力の弱い者から
掃蕩
(
そうとう
)
せられるのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
両者は共にある程度まで、権利の
簒奪
(
さんだつ
)
を代表している。そしてあらゆる簒奪を
掃蕩
(
そうとう
)
せんがためには、彼らをも打ち倒さなければならない。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
尊氏の博多入りは、
歩武
(
ほぶ
)
堂々な入市ではない。途々、降参人を入れ、
掃蕩
(
そうとう
)
の余勢を駆ッて、いつか
巷
(
ちまた
)
に乱入していたのである。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
清廉
(
せいれん
)
、誘惑をしりぞけ圧迫を物ともせず、ギャング
掃蕩
(
そうとう
)
のためには身命さえも賭そうという、次期州知事の候補者の一人だ。
人外魔境:08 遊魂境
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
ローマはもはや野蛮人らを国境外に
掃蕩
(
そうとう
)
する力がなくて、彼らを自分のうちに合体させ、そして間もなく彼らは最上の番犬となってしまったのである。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
やがては
掃蕩
(
そうとう
)
したりしが
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
オーアンの高地から
掃蕩
(
そうとう
)
されたマルコンネ、パプロットから駆逐されたデュリュット、退却するドンズローとキオー、半側面より攻撃されたロボー
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
十二月に入ると、
摂津
(
せっつ
)
方面の戦況は、
急転
(
きゅうてん
)
直下を示した。いうまでもなく織田軍の優勢が、荒木一類を
悉
(
ことごと
)
く
掃蕩
(
そうとう
)
し終ったのである。まだ、伊丹を
支
(
ささ
)
えていた頃
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また普通の俗人は日常の雑事を
捉
(
とら
)
えて実在に触れていると考えておりますが、これらの
煩瑣
(
はんさ
)
な事件を
掃蕩
(
そうとう
)
してしまうと、ますます人間に近くなるものであります。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大砲だ! こういう奴らを
掃蕩
(
そうとう
)
してくれ!……君らはいったい、戦いとはいかなるものであるか
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
軍隊は沸き立った各街路に突進し、あるいは用心して徐々に進み、あるいは一挙に襲撃しながら、右に左に、大なるものは
掃蕩
(
そうとう
)
し、小なるものは探査した。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
教育の精神は単に学問を授けるばかりではない、
高尚
(
こうしょう
)
な、正直な、武士的な元気を
鼓吹
(
こすい
)
すると同時に、
野卑
(
やひ
)
な、
軽躁
(
けいそう
)
な、
暴慢
(
ぼうまん
)
な悪風を
掃蕩
(
そうとう
)
するにあると思います。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
野口城を陥し、端谷城を
奪
(
と
)
り、順次、神吉の
神吉長則
(
かんきながのり
)
や、志方の櫛橋治家などの塁も衝き、別所一族の領土とする
広汎
(
こうはん
)
な地域にわたって、放火、
掃蕩
(
そうとう
)
、迫撃の手を強めていた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
全体より見れば汚水の
掃蕩
(
そうとう
)
は下水道が文明に尽す務めであるから、そしてこの見地よりすれば
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
またこの
不同不二
(
ふどうふじ
)
の
乾坤
(
けんこん
)
を
建立
(
こんりゅう
)
し得るの点において、
我利私慾
(
がりしよく
)
の
覊絆
(
きはん
)
を
掃蕩
(
そうとう
)
するの点において、——
千金
(
せんきん
)
の子よりも、
万乗
(
ばんじょう
)
の君よりも、あらゆる俗界の
寵児
(
ちょうじ
)
よりも幸福である。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
岐阜
(
ぎふ
)
城まで、早馬をとばせば、日数とても幾らもかかるまい。高岡へ攻めかかるにしても、南伊勢へ進路をとるにしても、この附近の敵を
掃蕩
(
そうとう
)
するには、なお幾日かはかかる。
新書太閤記:03 第三分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とまれ彼は、残敵を
掃蕩
(
そうとう
)
しながら、その日の午後にはもう博多の内へ入っていた。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
敗亡者らがあるいはそこに逃げ込んではすまいかという懸念があったので、ブュジョー将軍が公然のパリーを
掃蕩
(
そうとう
)
している間に、ジスケ警視総監は隠密のパリーを探索することになったのである。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
けれど貴軍の力で、賊を
掃蕩
(
そうとう
)
してくれれば、もはや私という番人を失っても、村の老幼は、田畠へ帰って
鍬
(
くわ
)
を持てましょう。思いのこすことはありません、将軍、どうか首を刎ねて下さい
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
悲惨の
掃蕩
(
そうとう
)
は、単に地面を高めることによってなされるであろう。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「最期まで、よくお働きあそばして、自身、奥の丸に火を
放
(
か
)
け、御自害なさいましたが……そこへ躍りこんで来た木下勢が、忽ち、火を消し止めて、あくまで静かに、城中を
掃蕩
(
そうとう
)
し尽しました」
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“掃蕩”の意味
《名詞》
敵などをすっかり追い払うこと。一掃。
(出典:Wiktionary)
掃
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
蕩
漢検準1級
部首:⾋
15画
“掃”で始まる語句
掃
掃除
掃溜
掃部
掃部頭
掃討
掃滅
掃部助
掃部宿
掃除人