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千金
「ドッコイドッコイ……どうでえこの
腹部のヤワヤワふっくりとした事は……トテモ
千金こてえられねえや」
君學問の
道に
寢食を
忘れ
給ふは、
至極結構の
儀にて、とやかく
申上げむ
言もなく
候へども
又た
御心遣の
術も
候はでは、
餘りに
御氣の
詰りて
千金の
御身にさはりとも
相成らむ。
またこの
不同不二の
乾坤を
建立し得るの点において、
我利私慾の
覊絆を
掃蕩するの点において、——
千金の子よりも、
万乗の君よりも、あらゆる俗界の
寵児よりも幸福である。