相当そうとう)” の例文
旧字:相當
相当そうとう修行しゅぎょうんだら、一しょむとか、まないとかもうすことは、さして苦労くろうにならないようになってしまうのではないでしょうか。
父親ちちおやは、なまもので、その教育きょういくができないために、行商ぎょうしょうにきたひとにくれたのが、いま一人前にんまえおとことなって、都会とかい相当そうとうみせしている。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
これがいつもならば泣き虫の蛾次郎、本領ほんりょう発揮はっきしてワアワア泣き声をあげているはずだが、かれも生死の境にたった以上、ふだんよりは相当そうとうにつよい。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼奴きゃつは犠牲者の兄だというので心を許していましたが、イヤ相当そうとうなものですよ。彼奴は無職で家にブラブラしているかと思うと、どこかへ行ってしまって、幾晩もかえって来ない。
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
が、家宅捜索かたくそうさくをすると、時価じか概算がいさん億円おくえん相当そうとうする金塊きんかい白金はくきん、その地金ぢがね居室きょしつ床下ゆかしたから発見はっけんされたため、ついにつつみきれずして、刈谷音吉かりやおときち毒殺どくさつのてんまつを自供じきょうするにいたつた。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
ここ作爺さんのもとへあずけによこした時、左膳も相当そうとうなもので、どこからか同じような箱と風呂敷を見つけてきて、それは橋下の自分の小屋へ置くことにしたと言いましたが、さては
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
五十円なら 相当そうとうだ。
魔法の笛 (新字新仮名) / ロバート・ブラウニング(著)
父親ちちおや相当そうとうたか地位ちい大宮人おおみやびとで、狭間信之はざまのぶゆき母親ははおやはたしか光代みつよ、そして雛子ひなこ夫婦ふうふなか一粒種ひとつぶだねのいとしだったのでした。
では、築城術ちくじょうじゅつ論議試合ろんぎじあいもくされている方などは、その人がすくないかと思うと、これにも相当そうとうきこえた人物の名が見えるのはさすがに戦国の学風によるものか
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さだめし高価こうかのものであろうとおもいながらいてみますと、はたして相当そうとうあたいでした。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あの強烈な電気に相当そうとうまいっているところへ、あの硝子のへつっかかったんで、二重のよわり目にたたり目で、沼の中へ落ちこんだまま、あがりも飛び上りも出来なくなったんですよ。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
小櫻姫こざくらひめ通信つうしん昭和しょうわねんはるから現在げんざいいたるまで足掛あしかけねんまたがりてあらわれ、その分量ぶんりょう相当そうとう沢山たくさんで、すでに数冊すうさつのノートをうずめてります。
あめも相当そうとうれて宿賃やどちんにもこまらずにすみましたが、都会とかいは、田舎いなかとちがって空気くうきのよくないことや、のんきにらされないので、いろいろそんなことが原因げんいんとなって、おじいさんは
からすの唄うたい (新字新仮名) / 小川未明(著)
電気の先生だった戸浪が相当そうとう頼母たのもしい探索をしていてくれるから、彼と同盟すれば、大いに便宜べんぎが得られるであろうという見込みだが、但し戸浪自身が犯人の場合は全く失敗になるわけだった。
省線電車の射撃手 (新字新仮名) / 海野十三(著)