権家けんか)” の例文
ただ権家けんかに婿君としてたいそうな扱いを受けることは、自由を失うことであろうと、その点がいやなようにお思われになるのであるが
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
世間には立身栄達りっしんえいたつの道を求めるために富豪の養子になったり権家けんか婿むこになったりするものがいくらもある。現在世におもんぜられている知名の人たちの中にもこの例は珍しくない。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
そうしてこういう権家けんかの勢威は永続せず、次から次へと変っていったが、それは、一つの権家が或る時期になるとその勢威を維持することのできないような失政をしたからであって
テンム(天武)天皇の時は親政であったかと思われるが、ジトウ(持統)天皇の時はもはやそうではなくなり、それから後はおおむねフジワラ(藤原)氏などの権家けんかが実権をもつようになった。