ぶる)” の例文
第一、日本程借金を拵らへて、貧乏ぶるひをしてゐる国はありやしない。此借金が君、何時いつになつたら返せると思ふか。そりや外債位は返せるだらう。けれども、そればかりが借金ぢやありやしない。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
咄喊とっかんはこのよくせきをせんじ詰めて、煮詰めて、缶詰かんづめにした声である。死ぬか生きるか娑婆しゃばか地獄かと云うきわどい針線はりがねの上に立ってぶるいをするとき自然と横膈膜おうかくまくの底からき上がる至誠の声である。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)