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歩行
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ある
ふりがな文庫
“
歩行
(
ある
)” の例文
このごろのならいとてこの二人が
歩行
(
ある
)
く内にもあたりへ心を配る様子はなかなか泰平の世に生まれた人に想像されないほどであッて
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
その
洋傘
(
かさ
)
だって、お前さん、新規な涼しいんじゃないでしょう。旅で田舎を持ち
歩行
(
ある
)
いた、黄色い
汚点
(
しみ
)
だらけなんじゃありませんか。
第二菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鬼外にありてかくおびやかす時、お多福内より、福が一しよにもろてやろ、といふ。かくして彼らは餅、米、銭など
貰
(
もら
)
ひ
歩行
(
ある
)
くなり。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
しかも昨日御殿坂で例ののっそりがひとしおのっそりと、往生した
鶏
(
とり
)
のようにぐたりと首を
垂
(
た
)
れながら
歩行
(
ある
)
いて居るを見かけましたが
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「家の内での御引きずりには不賛成もありませんが、外であんな長い裾を引きずって
歩行
(
ある
)
くのはあまり体裁の善いものではありませんね」
倫敦消息
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
その人水を乞うて飲むとて口を甌中に着け牛が飲むごとし。宗の家を出て東に百余
歩行
(
ある
)
くと、従者と馬と皆虎となりこれより虎暴非常と。
十二支考:01 虎に関する史話と伝説民俗
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
車掌は声を張りあげて「三等のお客は三等室へお乗り下さい」とふれて
歩行
(
ある
)
いている。震災気分は東へ近づくに従ってますます濃厚になる。
震災後記
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
もう宿の
善悪
(
よしあし
)
は
択
(
えら
)
ぶに
暇
(
いとま
)
なく、
只
(
ただ
)
泊めて呉れさえすれば宜しいと
云
(
い
)
うので
無暗
(
むやみ
)
に
歩行
(
ある
)
いて、
何
(
どう
)
か
斯
(
こう
)
か二晩
泊
(
とま
)
って三日目に小倉に着きました。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
万一
(
ひょっと
)
したら
行
(
い
)
き
宜
(
い
)
いから左様な処へでも行きはしまいかと、是から吉原へ這入って
彼処此処
(
あちこち
)
を探して
歩行
(
ある
)
いたが分りません。
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その後五六日を経て明石の町より、天ぷら蒲鉾など小さき荷籠に入れて、舞子のあたりまで売り
歩行
(
ある
)
く子供あり。
磯馴松
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
箇様
(
かよう
)
なる想像を風流と思ひ居れども、こはえせ風流にして却て俗気を生ずるのみ。庭を
歩行
(
ある
)
いて虫が鳴きやみたりとてそれが不風流になる訳もあるまじ。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
歩行
(
ある
)
いてゐるとまるで自分の
身体
(
からだ
)
が蒼白いセンジユアルな発光の中にひきつつまれて匂のふかい麝香猫か何ぞのやうに心までが腐爛してゆくかとさへ思はれた。
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
と、
頻
(
しき
)
りに画板を褒め立てますから、
如何
(
どう
)
した事かと
行
(
いっ
)
て見ますと、こわいかに、昨日まで四角であった画板わ、
今朝
(
けさ
)
わ八角に成って、意気揚々と
歩行
(
ある
)
いております。
三角と四角
(その他)
/
巌谷小波
(著)
久しく
歩行
(
ある
)
かぬためか、足の運びが鈍い、爪先が痛む、コムラが痛む、膝節がいたむ、
腿
(
もも
)
がいたむ、
終
(
つい
)
には腰までも痛む、今からこんなことではと気を鼓しつつ進む。
白峰の麓
(新字新仮名)
/
大下藤次郎
(著)
人の
歩行
(
ある
)
いた路ともなく、夜の色さへ埋み消したが、見る/\垣を
桓
(
だわ
)
り軒を吹き廂を掠め、梢を鳴らし、一陣忽ち
虚蒼
(
あおぞら
)
に拡がつて、ざつと云ふ音烈しく、丸雪は小雅を誘つて、八方十面降り乱れて
下町歳事記
(新字旧仮名)
/
正岡容
(著)
むかふの方を
歩行
(
ある
)
いてゐる
風は草木にささやいた:01 風は草木にささやいた
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
私はちょっかいを出すように、
面
(
おもて
)
を払い、耳を払い、頭を払い、袖を払った。茶番の
最明寺
(
さいみょうじ
)
どののような形を、
更
(
あらた
)
めて
静
(
しずか
)
に
歩行
(
ある
)
いた。
小春の狐
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
めったに闇の中を
歩行
(
ある
)
いて血の池なんかに落ちようものなら百年目だ、こんな事なら円遊に
細
(
くわ
)
しく聞いて来るのだッた。オヤ
梟
(
ふくろう
)
が鳴く。
墓
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
茅萱
(
ちがや
)
の音や狐の声に耳を
側
(
そば
)
たてるのは愚かなこと,すこしでも人が踏んだような痕の見える草の間などをば
軽々
(
かろがろ
)
しく
歩行
(
ある
)
かない。
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
しかし懐剣をもって
歩行
(
ある
)
くだけはあぶないから
真似
(
まね
)
ない方がいいよ。大学の教師が懐剣ならリードルの教師はまあ
小刀
(
こがたな
)
くらいなところだな。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
実は一日以来そわそわのみしていて、舞い込んだ土煙りの掃除も出来ず、汚された座敷の上は草履ばきで
歩行
(
ある
)
いていたのだ。
震災後記
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
所〻を廻つて今の中に侠客や博徒の歴史を尋ねて
歩行
(
ある
)
いたならば、余程宜しい材料が得られる事であらうと思ふ。
侠客の種類
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
そして一所に
歩行
(
ある
)
いたり、なんか致しましても少しも、楽しい事はなく、ただただ我が里におりました時の事のみを思ひ出しまして、どこへ参りましても
こわれ指環
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
兵士
(
へいし
)
の
軍楽
(
ぐんがく
)
を
奏
(
そう
)
しますのは
勇
(
いさ
)
ましいものでございますが、
此
(
こ
)
の時は
陰々
(
いん/\
)
として
居
(
を
)
りまして、
靴
(
くつ
)
の
音
(
おと
)
もしないやうにお
歩行
(
あるき
)
なさる事で、
是
(
これ
)
はどうも
歩行
(
ある
)
き
悪
(
にく
)
い事で
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
而
(
そ
)
して私が
歩行
(
ある
)
きながら第一に受けた印象は清潔な青白い迄消毒されてゐる便所から泌み渡つてくるアルボースの臭気であつた。即ち都会の入口の厳粛な匂である。
新橋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
尤
(
もつと
)
も
衣服
(
きもの
)
を
脱
(
ぬ
)
いで
渡
(
わた
)
るほどの
大事
(
おほごと
)
なのではないが、
本街道
(
ほんかいだう
)
には
些
(
ち
)
と
難儀
(
なんぎ
)
過
(
す
)
ぎて、なか/\
馬
(
うま
)
などが
歩行
(
ある
)
かれる
訳
(
わけ
)
のものではないので。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こんなつまらぬ時にかういふオモチヤにも古笠などにも皆足が生えて病牀のぐるりを
歩行
(
ある
)
き出したら面白いであらう。(四月四日)
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
「それじゃ、君はこの穴の
縁
(
ふち
)
を
伝
(
つた
)
って
歩行
(
ある
)
くさ。僕は穴の下をあるくから。そうしたら、
上下
(
うえした
)
で話が出来るからいいだろう」
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
清吉ふりむいて、逢ひました逢ひました、しかも昨日御殿坂で例ののつそりがひとしほのつそりと、往生した
鶏
(
とり
)
のやうにぐたりと首を垂れながら
歩行
(
ある
)
いて居るを見かけましたが
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
考えて見ると
空
(
くう
)
と空とを孕んだ紙の層はいかに高くとも、実に
軽々
(
かるがる
)
としたものにはちがいない。だがあまりの不釣合いではないか。おお、紙の入道雲が
歩行
(
ある
)
く歩行く、光り輝く紙の雪山が。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
無理さへすりやあ、行かれる身体を。まだ
歩行
(
ある
)
かれぬと断つて、今日一日を、当病の、数に入れたは、誰の為。みすみす災難着せられる、お前の為を思へばこそ。しかし大きに、大世話か知らぬ。
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
(それでは、番頭さんに、その通り申聞けますでございます、)とまた立って、多一が
歩行
(
ある
)
き出すと(こら!)と呼んで呼び留めた。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
実に奇麗で実に愉快だ。自分はこの時五つか六つの子供に返りたいような心持がした。そして母に手を引かれて
歩行
(
ある
)
いて居る処でありたかった。
熊手と提灯
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
しばらくは
雑木林
(
ぞうきばやし
)
の間を行く。道幅は三尺に足らぬ。いくら仲が
善
(
よ
)
くても並んで
歩行
(
ある
)
く訳には行かぬ。圭さんは大きな足を
悠々
(
ゆうゆう
)
と振って先へ行く。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
章魚
(
たこ
)
を逃がし海を
覗
(
のぞ
)
けば
章魚
(
たこ
)
が
歩行
(
ある
)
くほかに何にもなかりけるかも
雲母集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
これみよがしに連れ
歩行
(
ある
)
きぬ。
心の鬼
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
暑中休暇に、どこかその
辺
(
あたり
)
を
歩行
(
ある
)
いて見よう。以前幾たびか上下したが、その
後
(
のち
)
は多年
麓
(
ふもと
)
も見舞わぬ、倶利伽羅峠を、というに過ぎぬ。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「うん、起きる事は起きるが山へかかってから、あんなに早く
歩行
(
ある
)
いちゃ、御免だ」と碌さんはすぐ予防線を張った。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
幽霊が居るなら一つふんじばって浅草公園第六区に出してやろうなんていうので幽霊捕縛に
歩行
(
ある
)
いて居るかもしれないから、うっかり出られないが、失敬ナ
墓
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
青い眼鏡をかけては
街
(
まち
)
を
歩行
(
ある
)
き
東京景物詩及其他
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
遠近
(
おちこち
)
の森に
棲
(
す
)
む、
狐
(
きつね
)
か
狸
(
たぬき
)
か、と見るのが
相応
(
ふさわ
)
しいまで、ものさびて、のそ/\と
歩行
(
ある
)
く犬さへ、
梁
(
はり
)
を走る
古鼠
(
ふるねずみ
)
かと疑はるゝのに——
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
また
歩行
(
ある
)
かねばならぬ。見たくもない叡山を見て、いらざる豆の数々に、役にも立たぬ登山の
痕迹
(
こんせき
)
を、二三日がほどは、苦しき記念と残さねばならぬ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
夢の中では今でも平気に
歩行
(
ある
)
いて居る。しかし物を飛びこえねばならぬとなるといつでも首を傾ける。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
その底を私は
歩行
(
ある
)
いてゐた。
桐の花
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ズボリと踏込んだ一息の間は、
冷
(
つめた
)
さ骨髄に徹するのですが、
勢
(
いきおい
)
よく
歩行
(
ある
)
いているうちには温くなります、ほかほかするくらいです。
雪霊記事
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
何だか上りたくない。しばらく坂の中途で立って見る。しかし立っているのは、ことによると死にに立っているのかも知れない。——また
歩行
(
ある
)
き出す。
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この日は快晴であったが、山の色は奇麗なり、始めて白い砂の上を
歩行
(
ある
)
いたので、自分は病気の事を忘れるほど愉快であった。愉快だ愉快だと、いわぬ者は一人もない。
病
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
植物園を
歩行
(
ある
)
けば
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ズボリと
踏込
(
ふみこ
)
んだ
一息
(
ひといき
)
の
間
(
あひだ
)
は、
冷
(
つめた
)
さ
骨髓
(
こつずゐ
)
に
徹
(
てつ
)
するのですが、
勢
(
いきほひ
)
よく
歩行
(
ある
)
いて
居
(
ゐ
)
るうちには
温
(
あたゝか
)
く
成
(
な
)
ります、ほか/\するくらゐです。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ただ大きな顔をするんでしょう。そうして何もしないで、また何も云わないで地蔵の
周
(
まわ
)
りを、大きな
巻煙草
(
まきたばこ
)
をふかしながら
歩行
(
ある
)
いているんですとさ」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“歩行”の意味
《名詞》
歩くこと。
(出典:Wiktionary)
“歩行”の解説
歩行(ほこう)とは、「歩く」ことであり、足(脚)による移動のうち比較的低速のものを言い、厳密にはどの瞬間も少なくともひとつの足が地面についたまま移動する動作を言う。「歩く」は「走る」と対比される。
(出典:Wikipedia)
歩
常用漢字
小2
部首:⽌
8画
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
“歩行”で始まる語句
歩行出
歩行事
歩行悩
歩行方
歩行歩行
歩行目附
歩行悪
歩行板
歩行能
歩行頭