“ひがさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
日傘73.3%
涼傘17.8%
洋傘2.2%
日暈2.2%
日笠2.2%
檜笠2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
またはさまざまなる大道店だいどうみせ日傘ひがさの間をば士農工商思い思いの扮装形容みなりかたちをした人々があとから後からと引きも切らずに歩いて行く。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
二人とも浴衣形ゆかたなりの、一人は髪を引ッつめにして、大きな新聞紙包みを抱え、一人は銀杏返しの、小さな袱紗づつみを抱えた片っ方の手に、音無しく涼傘ひがさをもちそえていた。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
と澄ました顔で、洋傘ひがさを持って来た柄の方を返して出すと、夫人は手巾を持換えて、そうでない方の手に取ったが……不思議にこの男のは汗ばんでいなかった。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
単衣ひとえの襟をちょいと合わせて、すっとその格子戸へ寄って、横に立って、洋傘ひがさいたが、声を懸けようとしたらしく、斜めにのぞき込んだ顔を赤らめて、黙って俯向うつむいて俯目ふしめになった。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
霧でかすんで——大きな日暈ひがさにとりかこまれた月は、長いゆれる尾を引いて幻の優しい愁しい気分をもって、上って居る。鈍い、深い黒潮の上に月の差す所丈は銀緑に光るのである。
この歌の側に、「印南野は行き過ぎぬらしあまづたふ日笠ひがさの浦に波たてり見ゆ」(巻七・一一七八)というのがあるが、これも佳い歌である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
いづれも、塗笠ぬりがさ檜笠ひがさ菅笠すげがさ坊主笠ばうずがさかぶつてるとふ。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)