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点々
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てん/\
やがて、座敷から、
昼間買つた
百合の花を取つて
来て、自分の
周囲に
蒔き散らした。白い
花瓣が
点々として月の
光に
冴えた。あるものは、木下
闇に
仄めいた。
此に於て竹葉上に
点々滴れる所の
露を
甞め、以て漸く
渇を
慰す、吉田署長病
再発し
歩むに
堪へず、
遂に他の三名と共に
帰途に
就かる、行者
参り三人も亦
心淋しくやなりけん
薄き影と、
薄き光は、
落花点々たる庭に落ちて、地を歩す、
宛ながら
天を
歩むの
感あり。
大食の
習慣今日に
至りても未だ全く
旧に
復せざるなり、食事
了れば
例により鹽原巡査の
落語あり、衆拍手して之を
聞く、為めに
労を
慰めて
横臥すれば一天
墨の如く、
雨滴点々木葉を
乱打し来る
代助は
父に
呼ばれてから二三日の
間、
庭の
隅に咲いた
薔薇の
花の
赤いのを見るたびに、それが
点々として
眼を
刺してならなかつた。其時は、いつでも、
手水鉢の
傍にある、
擬宝珠の
葉に
眼を
移した。