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可悲
読み方 | 割合 |
かなし | 60.0% |
かな | 20.0% |
かなしさ | 20.0% |
可悲い、
可恐い、滅亡の運命が、人たちの身に、
暴風雨と成つて、天地とともに
崩掛らうとする前の
夜、……風はよし、
凪はよし……船出の祝ひに酒盛したあと、船中残らず
火鉢に
倚りて宮は、我を
喪へる
体なりしが、
如何に
思入り、
思回し
思窮むればとて、解くべきにあらぬ胸の内の、
終に明けぬ
闇に
彷徨へる
可悲しさは
宮は
可悲と
可懼に襲はれて
少く声さへ立てて泣きぬ。