“くぐりもん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
潜門85.0%
耳門15.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼らがパンの切れを食い終わって、向こうにフォルス監獄の低いいかめしい潜門くぐりもんが見える陰鬱いんうつなバレー街のかどまで達した時、だれかが声をかけた。
人間は傍の小さい潜門くぐりもんから世を忍ぶものゝやうに不自由勝ちに出入するわが家のものは、無意識にもせよ、この質素な蔦を真実愛してゐるのだつた。
蔦の門 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
微暗うすぐらい門番のへや燈火あかりが見えた。真暗い空から毛のような霧雨きりあめが降っていた。書生の体はもう耳門くぐりもんから出た。主翁ていしゅもそのあとから耳門くぐりもんを出たが、ほっとしたような気になって心がのびのびした。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)