“霧雨”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
きりさめ81.3%
きりあめ18.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
霧雨きりさめがふってきました。雨の中にすわっていると、びしょぬれになってしまいました。けれども、まもなく、強い風が吹いてきました。
今夜こんやはまた、風と霧雨きりさめをまじえた、うすら寒い、まっくらな夜です。おまけに、あたりは刻一刻こくいっこくときみわるくなってくるではありませんか。
霧雨きりあめのなごり冷ややかに顔をかすめし時、一陣の風木立ちを過ぎて夕闇うそぶきし時、この切那せつなわれはこの姉妹はらからの行く末のいかに浅ましきやをあざやかに見たる心地せり。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
微暗うすぐらい門番のへや燈火あかりが見えた。真暗い空から毛のような霧雨きりあめが降っていた。書生の体はもう耳門くぐりもんから出た。主翁ていしゅもそのあとから耳門くぐりもんを出たが、ほっとしたような気になって心がのびのびした。
黄灯 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)