“きりあめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
霧雨75.0%
切飴25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
俊助は黙って、埃及エジプトの煙を吐き出しながら、窓の外の往来へ眼を落した。まだ霧雨きりあめの降っている往来には、細い銀杏いちょうの並木が僅に芽を伸ばして、かめ甲羅こうらに似た蝙蝠傘こうもりがさが幾つもその下を動いて行く。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そよ吹く風に霧雨きりあめ舞い込みてわがおもてを払えば何となく秋の心地ここちせらる、ただずる青葉のみは季節を欺き得ず、げに夏の初め、この年の春はこの長雨にて永久とこしえきたり。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
蒟蒻こんにゃく蒲鉾かまぼこ、八ツがしら、おでん屋のなべの中、混雑ごたごたと込合って、食物店たべものみせは、お馴染なじみのぶっ切飴きりあめ、今川焼、江戸前取り立ての魚焼うおやき、と名告なのりを上げると、目の下八寸の鯛焼たいやきと銘を打つ。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)