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霧雨
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きりあめ
ふりがな文庫
“
霧雨
(
きりあめ
)” の例文
霧雨
(
きりあめ
)
のなごり冷ややかに顔をかすめし時、一陣の風木立ちを過ぎて夕闇
嘯
(
うそぶ
)
きし時、この
切那
(
せつな
)
われはこの
姉妹
(
はらから
)
の行く末のいかに浅ましきやを
鮮
(
あざ
)
やかに見たる心地せり。
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
微暗
(
うすぐら
)
い門番の
室
(
へや
)
の
燈火
(
あかり
)
が見えた。真暗い空から毛のような
霧雨
(
きりあめ
)
が降っていた。書生の体はもう
耳門
(
くぐりもん
)
から出た。
主翁
(
ていしゅ
)
もその
後
(
あと
)
から
耳門
(
くぐりもん
)
を出たが、ほっとしたような気になって心がのびのびした。
黄灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
俊助は黙って、
埃及
(
エジプト
)
の煙を吐き出しながら、窓の外の往来へ眼を落した。まだ
霧雨
(
きりあめ
)
の降っている往来には、細い
銀杏
(
いちょう
)
の並木が僅に芽を伸ばして、
亀
(
かめ
)
の
甲羅
(
こうら
)
に似た
蝙蝠傘
(
こうもりがさ
)
が幾つもその下を動いて行く。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そよ吹く風に
霧雨
(
きりあめ
)
舞い込みてわが
面
(
おもて
)
を払えば何となく秋の
心地
(
ここち
)
せらる、ただ
萌
(
も
)
え
出
(
い
)
ずる青葉のみは季節を欺き得ず、げに夏の初め、この年の春はこの長雨にて
永久
(
とこしえ
)
に
逝
(
ゆ
)
きたり。
おとずれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
“霧雨”の解説
霧雨(きりさめ、きりあめ)は、霧のような細かい雨のこと。気象観測では、雨滴の直径が0.5 ミリメートル(mm)未満の雨と定義されている。文学など、色々なシチュエーションで使われている。
(出典:Wikipedia)
霧
常用漢字
中学
部首:⾬
19画
雨
常用漢字
小1
部首:⾬
8画
“霧”で始まる語句
霧
霧島
霧除
霧渓
霧笛
霧風
霧函
霧散
霧降
霧渓晋