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霧雨
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きりさめ
ふりがな文庫
“
霧雨
(
きりさめ
)” の例文
霧雨
(
きりさめ
)
がふってきました。雨の中にすわっていると、びしょぬれになってしまいました。けれども、まもなく、強い風が吹いてきました。
アンネ・リスベット
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
今夜
(
こんや
)
はまた、風と
霧雨
(
きりさめ
)
をまじえた、うすら寒い、まっくらな夜です。おまけに、あたりは
刻一刻
(
こくいっこく
)
ときみわるくなってくるではありませんか。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
のみならず道に敷いた石炭殻も
霧雨
(
きりさめ
)
か露かに
濡
(
ぬ
)
れ
透
(
とお
)
っていた。僕はまだ
余憤
(
よふん
)
を感じたまま、出来るだけ足早に歩いて行った。
死後
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
翌日の昼、
霧雨
(
きりさめ
)
の中を谷山に着いた。
壕
(
ごう
)
の中は湿気に満ち、空気は濁っていた。暗号室は、壕の一番奥にあった。
桜島
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
目に見えないような
霧雨
(
きりさめ
)
が降っているのです。毎日々々、外出もしないで御返事をお待ちしているのに、とうとうきょうまでおたよりがございませんでした。
斜陽
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
ぼーっと
煙
(
けぶ
)
った
霧雨
(
きりさめ
)
のかなたさえ見とおせそうに目がはっきりして、先ほどのおっかぶさるような暗愁は、いつのまにかはかない出来心のしわざとしか考えられなかった。
或る女:1(前編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
今日は、
霧雨
(
きりさめ
)
にけぶつてゐるせゐか、硯のやうに、けづり立つた八重岳は見えない。ゆき子は、玄関へ出て行つた都和井の、白い足裏が気にかゝつてゐた。こゝの女達は、いつも
裸足
(
はだし
)
である。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
「
磧
(
かはら
)
へついて廻したぞ」と、艫の方から声がかゝつたが、夕立のやうに、水がざわついて、小さな水球が、
霧雨
(
きりさめ
)
となつて飛んで来たので、もう名高い天竜峡に入ツて来たと知つた、竜角峯とか
天竜川
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
霧雨
(
きりさめ
)
のこまかにかかる猫柳つくづく見れば春たけにけり
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ああ
霧雨
(
きりさめ
)
の
中
(
なか
)
に、
煙突
(
えんとつ
)
の林……
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
霧雨
(
きりさめ
)
の
空洞
(
ほらあな
)
に響きなき鏡
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
生憎
(
あいにく
)
、空は曇っている。方々の工場で鳴らす汽笛の
音
(
ね
)
が、
鼠色
(
ねずみいろ
)
の水蒸気をふるわせたら、それが皆
霧雨
(
きりさめ
)
になって、降って来はしないかとも思われる。その退屈な空の下で、
高架
(
こうか
)
鉄道を汽車が通る。
父
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
鴉のこゑ
遠退
(
とほぞ
)
きゆけば雀のこゑ幽かにきたる
霧雨
(
きりさめ
)
の中
雀の卵
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
霧雨
(
きりさめ
)
が
降
(
ふ
)
つてる
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
霧雨
(
きりさめ
)
かかれ、あたらしく
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
霧雨
(
きりさめ
)
の
朝明
(
あさけ
)
の
辛夷
(
こぶし
)
海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
“霧雨”の解説
霧雨(きりさめ、きりあめ)は、霧のような細かい雨のこと。気象観測では、雨滴の直径が0.5 ミリメートル(mm)未満の雨と定義されている。文学など、色々なシチュエーションで使われている。
(出典:Wikipedia)
霧
常用漢字
中学
部首:⾬
19画
雨
常用漢字
小1
部首:⾬
8画
“霧”で始まる語句
霧
霧島
霧除
霧渓
霧笛
霧風
霧函
霧散
霧降
霧渓晋