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潜門
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くぐり
ふりがな文庫
“
潜門
(
くぐり
)” の例文
旧字:
潛門
「ご念の入ったことで……今日は、
表門
(
おもて
)
からではなく、裏の
潜門
(
くぐり
)
からお入れくださいまして、池の乱杭石のあたりへおとめ置きねがいます」
西林図
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
と、今にも、ピシャリ、
潜門
(
くぐり
)
に小さく開いているのぞき窓をしめてしまいそうな形勢だから、お艶はもう泣かんばかり——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
こういうものに囲まれた彼女の屋敷は、廃屋の見本のようなものであったが、栞は、その大門の横の
潜門
(
くぐり
)
をくぐって屋敷の中へはいって行った。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
只
(
と
)
ある伯爵家の裏門の前で俥を停めさせて、
若干
(
そこばく
)
の代を取らすや否や
周章
(
あわ
)
てて
潜門
(
くぐり
)
の奥深く消えたという新聞は
尋常事
(
ただごと
)
ならず思われて、噂は忽ち八方に広がった。
四十年前:――新文学の曙光――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
八郎の
菩提寺
(
ぼだいじ
)
の
潜門
(
くぐり
)
を入った、釣鐘堂の横手を、
墓所
(
はかしょ
)
へ入る
破木戸
(
やぶれきど
)
で、生垣の前である。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
氏郷は数寄屋の路地へ
潜門
(
くぐり
)
を入ると、伊達の家来はハタと扉を立てんとした。
蒲生氏郷
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「裏の
潜門
(
くぐり
)
の所に待っておいでなさいます」
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
すると土塀の正面の辺に、頑丈な大門がありまして、その横に
定式
(
おきまり
)
の
潜門
(
くぐり
)
がありましたが、その
潜門
(
くぐり
)
が
内側
(
なか
)
から開きまして、一人の男が出て来ました。
犬神娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
とその時ビショット邸からけたたましい声が響いて来たが、
潜門
(
くぐり
)
を蹴破り飛び出して来たのは見覚えのある貧乏神で、小脇に二本の箱を抱え飛鳥のように駆け過ぎた。
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「いいえ、ナーニ、何んでもないんですが……空家だと思っておりましたところが、あなた様が
潜門
(
くぐり
)
から出て来られたので。……それに綺麗な手が見えたりしましたので……」
犬神娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
が、この頃から物音に驚き、お長屋の窓や
潜門
(
くぐり
)
が開き、人々が顔を出し
剣侠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
で、紋太郎は手を延ばし
傍
(
そば
)
の
潜門
(
くぐり
)
を押して見た。
大鵬のゆくえ
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
潜
常用漢字
中学
部首:⽔
15画
門
常用漢字
小2
部首:⾨
8画
“潜門”で始まる語句
潜門扉