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嫌
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きれ
ふりがな文庫
“
嫌
(
きれ
)” の例文
「向うは向う。こっちはこっちだ。なにも真似をするこたあねえ。第一おらあ
毛唐
(
けとう
)
のものは
嫌
(
きれ
)
えだ。おれの仕事は日本流で行くんだ」
銀河まつり
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「口のへらねえ野郎だ」松田は手を止めて栄二を睨みつけた、「いつでもひとをへこましゃあがる、そんなにおれが
嫌
(
きれ
)
えなのか」
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「うん、俺ああの野郎の
面
(
つら
)
を見るのが
心底
(
しんそこ
)
嫌
(
きれ
)
えなんだ。声を聞くのも虫が好かねえんだ。弟の方はさうでもねえけんど。」
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
「
牛蒡
(
ごばう
)
もうつかりして
繩
(
なは
)
で
縛
(
しば
)
つて
活
(
い
)
けちや、
其處
(
そこ
)
から
腐
(
くさ
)
れがへえつて
酷
(
ひで
)
えもんだな、
藁
(
わら
)
は
餘
(
よ
)
つ
程
(
ぽど
)
嫌
(
きれ
)
えだと
見
(
め
)
えんのさな」
勘次
(
かんじ
)
は
横合
(
よこあひ
)
からいつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
それに
私
(
わし
)
ゃア馬が誠に
嫌
(
きれ
)
えだ、
稀
(
たま
)
には随分
小荷駄
(
こにだ
)
に
乗
(
のっ
)
かって、
草臥
(
くたびれ
)
休めに一里や二里乗る事もあるが、それでせえ嫌えだ、
矢張
(
やっぱり
)
自分で歩く方が
宜
(
い
)
いだ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
血の河を流して人の
堤
(
どて
)
を突切るからそう思え、
俺
(
おい
)
らは悪人でねえから血を見るのも
嫌
(
きれ
)
えだし、見せるのもいやなんだが、
汝
(
てめえ
)
たちがあんまり
執念
(
しつこ
)
いから、一番
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
爺
(
ぢい
)
さんな、陰気ツ臭いのが何より
嫌
(
きれ
)
えだつて、いつも口癖のやうに云つてゐさしたつけよ。」
野の哄笑
(新字旧仮名)
/
相馬泰三
(著)
そりやお前達も百も承知で、承知だからこそわつしの言ふなりにこの中へ入つて來たんだらうが、とにかく、××の御用、つて奴が
嫌
(
きれ
)
えなら、こゝにぢつとしてゐねえよ。
天国の記録
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
かねて間瀬の人柄を憎んでゐたヒサゴ屋が、太平に対する同情よりも個人的な怒りから立上つて、面白くねえ野郎だ、貴様ののさばるのが俺は何より
嫌
(
きれ
)
えなんだ、と威勢はよいがよろけてゐる。
外套と青空
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
「俺だって
嫌
(
きれ
)
えじゃァなかった。——毒のない
好
(
い
)
い人間だった。」
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「ばッ、ばかなまねをしなさんな。だからおら侍は
嫌
(
きれ
)
えだ。侍くらい理屈のわかりそうな顔をして、ものの分らねえハンチクはありゃしねえッ」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
幸「ウン余り外へ出るのが
嫌
(
きれ
)
えで、芝居は厭だ花見は厭だといって、
宅
(
うち
)
に居て草双紙を見るのが
宜
(
い
)
いてえんだ」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
俺
(
お
)
ら
嘘
(
ちく
)
いふな
嫌
(
きれ
)
えだから、そんだがあの
阿魔
(
あま
)
もづう/\しい
阿魔
(
あま
)
だ、
此間
(
こねえだ
)
なんざおつかこた
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
さねえかつちつたら、
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
さねえなんて
吐
(
ぬ
)
かしやがつて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「岡っ引はでえ
嫌
(
きれ
)
えだ」文次は土間へ唾を吐いた、「世の中に岡っ引くれえ嫌えな者はありゃあしねえ」
あすなろう
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「
聟
(
むこ
)
なんぞ、
承知
(
しようち
)
するもんぢやねえ、あゝだ
泥棒野郎
(
どろぼうやらう
)
、
俺
(
お
)
ら
嫌
(
きれ
)
えだ、
畑
(
はたけ
)
でも
田
(
た
)
でも
油斷
(
ゆだん
)
なんねえから」
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
相応に薬礼をよこすから、足を
留
(
と
)
めていたものゝ実は己ア医者は出来ねえのだ、
尤
(
もっと
)
も
傷寒論
(
しょうかんろん
)
の一冊位は読んだ事は有るが、一体病人は
嫌
(
きれ
)
えだ、あの臭い寝床の側へ寄るのは
厭
(
いや
)
だから
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「おれは諄いこたあ
嫌
(
きれ
)
えだ」と栄二は答えた。
さぶ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
何かお
前様
(
めえさま
)
を追出させるように
巧
(
たく
)
んだに違え
無
(
ね
)
えだ、本当にあのくれえ憎らしい野郎も無えもんだ、ちょいと何一つくれるんでもお
前
(
めえ
)
さんと番頭とではこう違うだ、こんな物は
己
(
おら
)
ア
嫌
(
きれ
)
えだ
闇夜の梅
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
山「
毎
(
いつ
)
もお前は船は
嫌
(
きれ
)
えだというが、どうだい釣は、
怖
(
こわ
)
え事はあるめえ」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
酒飲
(
さけのみ
)
で小理窟をいう客は
誰
(
たれ
)
でも
嫌
(
きれ
)
えだ、向うは
柔
(
やさ
)
しい客で
好
(
い
)
い座敷だ、向うへ
往
(
い
)
くのは当り
前
(
めえ
)
の話で
貴方
(
あんた
)
御扶持を出して抱えて置くじゃアなえし、仕様ねえから早く帰っておくんなさえ……なにする
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
亥「己は弱い者いじめは
嫌
(
きれ
)
えだが食逃げとはなんでえ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
嫌
常用漢字
中学
部首:⼥
13画
“嫌”を含む語句
大嫌
上機嫌
御嫌
御機嫌伺
嫌疑
嫌厭
嫌忌
嫌気
気嫌
忌嫌
毛嫌
負嫌
去嫌
機嫌伺
好嫌
機嫌
嫌悪
御機嫌
不機嫌
嫌々
...