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御座
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ござ
ふりがな文庫
“
御座
(
ござ
)” の例文
しかし、「いき」のうちには「
慮外
(
りょがい
)
ながら
揚巻
(
あげまき
)
で
御座
(
ござ
)
んす」という、曲線では表わせない
峻厳
(
しゅんげん
)
なところがある。冷たい無関心がある。
「いき」の構造
(新字新仮名)
/
九鬼周造
(著)
私の父も見たともうしました。するとその母親が、息子が留守だと思って馬鹿にすると、大変
家
(
うち
)
のなかから怒ったそうで
御座
(
ござ
)
いました。
人魂火
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
何
(
ど
)
ういふ
樣子
(
やうす
)
何
(
ど
)
のやうな
事
(
こと
)
をいふて
行
(
ゆ
)
きましたかとも
問
(
と
)
ひたけれど
悋氣男
(
りんきをとこ
)
と
忖度
(
つも
)
らるゝも
口惜
(
くちを
)
しく、
夫
(
そ
)
れは
種々
(
いろ/\
)
御厄介
(
ごやつかい
)
で
御座
(
ござ
)
りました
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
下女
(
げぢよ
)
は「
左樣
(
さやう
)
で
御座
(
ござ
)
いましたか、どうも」と
簡單
(
かんたん
)
に
禮
(
れい
)
を
述
(
の
)
べて、
文庫
(
ぶんこ
)
を
持
(
も
)
つた
儘
(
まゝ
)
、
板
(
いた
)
の
間
(
ま
)
の
仕切
(
しきり
)
迄
(
まで
)
行
(
い
)
つて、
仲働
(
なかばたらき
)
らしい
女
(
をんな
)
を
呼
(
よ
)
び
出
(
だ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
もう一人のお客さんは、入り口の方に
倚
(
よ
)
りかかってこくりこくりやって
御座
(
ござ
)
ったが、やがて、アヴァランシュのような
大鼾
(
おおいびき
)
をかき初めた。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
▼ もっと見る
「おなつかしゅう
御座
(
ござ
)
りました——だしぬけに、大坂島の内のお宅から、お姿が無くなって以来どのようにお探し申しましたことか——」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
手品の種というのは、この二つの金メダルで
御座
(
ござ
)
る。この中には一体何物が入っていると御思召す。分りますまい? では申しますがね。
恐ろしき錯誤
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
で、
祖父
(
じじい
)
は、猫をあんまり
可愛
(
かあい
)
がっちゃ、
可
(
い
)
けない
可
(
い
)
けないって言っておりましたけれど、その
後
(
ご
)
の猫は化けるまで居た事は
御座
(
ござ
)
いません。
「ああしんど」
(新字新仮名)
/
池田蕉園
(著)
吉野にばかり
在
(
あ
)
ったのでなく、皇居はしばしば移っていること、また京方の諸院が、吉野朝の皇居に軒を並べて
御座
(
ござ
)
あったこともあるのは
中世の文学伝統
(新字新仮名)
/
風巻景次郎
(著)
連て訴へしが番頭は進み出私しは油町伊勢屋三郎兵衞名代喜兵衞と申
者
(
もの
)
に
御座
(
ござ
)
候
主人
(
しゆじん
)
店先
(
みせさき
)
へ一昨夜九ツ
時
(
どき
)
過
(
すぎ
)
此法師
(
このほふし
)
來り戸を叩きて一夜の宿を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
そうしてソンナお話の中に、この御寺の縁起の事を詳しく書いたものが残っているゲナ。和尚さんが大切に
蔵
(
しま
)
って
御座
(
ござ
)
るゲナ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「僕が貴様を責めたのは悪う
御座
(
ござ
)
いました、けれども
何乎
(
どうか
)
今御覧になったことを秘密に
仕
(
し
)
て下さいませんかお願いですが。」
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
『まだ/\もつと
多
(
おほ
)
くの
證據
(
しようこ
)
が
御座
(
ござ
)
います、
陛下
(
へいか
)
よ』と
云
(
い
)
つて
白兎
(
しろうさぎ
)
は、
遽
(
にはか
)
に
跳
(
と
)
び
上
(
あが
)
り、『
此
(
こ
)
の
文書
(
もんじよ
)
は
只今
(
たゞいま
)
拾
(
ひろ
)
ひましたのです』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「一度相談して参りますから」と云うと、差配は、「さようで
御座
(
ござ
)
いますか」と来た時と少しも変らない態度であっちこっち雨戸を閉め始めた。
貸家探し
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
第一、自分の小説といふものを考へた時に、その
沢山
(
たくさん
)
な小説の
行列
(
ぎやうれつ
)
の中から、特に、
私
(
わたし
)
が小説で
御座
(
ござ
)
ると名乗つて飛び出して来るものも見当らない。
風変りな作品に就いて
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
所が版本の原書なれば飜訳も出来るが、講義筆記であるからその講義を聴聞した本人でなければ何分にも分り兼ねる、誠に
可惜
(
おし
)
い宝書で
御座
(
ござ
)
ると
云
(
いっ
)
て
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「旦那様、これは又大した
古疵
(
ふるきず
)
で
御座
(
ござ
)
いますが、——さぞ、お若い時分の、勇ましい思い出でも御座いましょう」
禁断の死針
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
元日
(
ぐわんじつ
)
や
神代
(
かみよ
)
のことも思はるゝ」と
守武
(
もりたけ
)
の
発句
(
ほつく
)
を見まして、
演題
(
えんだい
)
を、七
福神
(
ふくじん
)
詣
(
まゐ
)
りとつけましたので
御座
(
ござ
)
ります。
七福神詣
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
八九人の中に怪しい
紋附羽織
(
もんつきばおり
)
の人が皆黙って送って行く——むろん本尊の
花嫁御寮
(
はなよめごりょう
)
はその
真中
(
まんなか
)
にしかも
人力車
(
じんりき
)
に乗って
御座
(
ござ
)
る——が
恰
(
ちょう
)
ど自分の眼の前に来かかった。
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
槍
(
やり
)
の
丹智
(
タンチ
)
さんが女にしては、堂々たる声で、「槍の丹智で
御座
(
ござ
)
います」とお
辞儀
(
じぎ
)
をすると、TAをCHIと
聴
(
き
)
き
違
(
ちが
)
え
易
(
やす
)
いものですから、男達は、どっと笑い出しました。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
実は
御願
(
おんねがい
)
に
只今
(
ただいま
)
上りましたので
御座
(
ござ
)
いますと、涙片手の哀訴に、私は
直
(
ただ
)
ちに
起
(
た
)
って、
剃刀
(
かみそり
)
を
持来
(
もちきた
)
って、
立処
(
たちどころ
)
に、その娘の水の
滴
(
た
)
るような緑の黒髪を、根元から、ブツリ切ると
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
其冷評
(
そのれいひやう
)
を
冠
(
かぶ
)
せる
中
(
なか
)
で
最
(
もつと
)
も
猛烈
(
もうれつ
)
なのは
杉村氏
(
すぎむらし
)
で、一
番
(
ばん
)
又
(
また
)
大
(
おほ
)
きくなつて
焚火
(
たきび
)
に
當
(
あた
)
つて
御座
(
ござ
)
る。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「いや勿論で
御座
(
ござ
)
いますよ。どうもこの頃大学の先生も少し図に乗り過ぎましたからね」
語呂の論理
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「四里じゃ、一呼吸だ、路はどうだね。」「やはり今降りて
御座
(
ござ
)
らっしたような……。」
木曽御嶽の両面
(新字新仮名)
/
吉江喬松
(著)
『え、時には
御座
(
ござ
)
いますがな。たんとはありません。
皆
(
みん
)
な遠いで
御座
(
ござ
)
いますから……。』
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
何代集の
彼
(
か
)
ン代集のと申しても皆『古今』の糟粕の糟粕の糟粕の糟粕ばかりに
御座
(
ござ
)
候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
「まああなたがこの子を助けて下さいましたんですね。お礼の申しようも
御座
(
ござ
)
んせん」
溺れかけた兄妹
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「さうで
御座
(
ござ
)
いませうかなあ。私が剛情者といふことは自分でもはつきり判ります。が、それでまたあの
身代
(
しんだい
)
をこしらへましたので、剛情も別に悪いことゝは思ひませんでしたが」
老主の一時期
(新字旧仮名)
/
岡本かの子
(著)
少々
(
せう/\
)
のおまじないが
御座
(
ござ
)
いましても、
酔
(
よ
)
つて
居
(
ゐ
)
れば気の
附
(
つ
)
く事ではございませぬ。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
あたしの
申上
(
まをしあ
)
げる
事
(
こと
)
を
合点
(
がてん
)
なさりたくば、まづ、ひとつかういふ
事
(
こと
)
を
御承知
(
ごしようち
)
願
(
ねが
)
ひたい。
白
(
しろ
)
の
頭巾
(
づきん
)
に
頭
(
あたま
)
を
裹
(
つゝ
)
んで、
堅
(
かた
)
い
木札
(
きふだ
)
をかた、かた、いはせる
奴
(
やつ
)
めで
御座
(
ござ
)
るぞ。
顔
(
かほ
)
は
今
(
いま
)
どんなだか
知
(
し
)
らぬ。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
または袋の中からいろいろな
一文
(
いちもん
)
人形を出して並べ立てて、一々言い立てをして銭を貰うのは普通だったが、中には親孝行で
御座
(
ござ
)
いといって、張子の人形を息子に見立てて、胸へ
縛
(
しば
)
り付け
梵雲庵漫録
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
川がありまして、
土堤
(
どて
)
が二三ヶ所、
処々
(
ところどころ
)
崩れているんだそうで
御座
(
ござ
)
います。
夜釣の怪
(新字新仮名)
/
池田輝方
(著)
「マア不思議じゃア
御座
(
ござ
)
いませんか、萩原さま」と、云はれて新三郎も気が浮き、二人を上にあげて歓愛に耽る」と云うことになっているが、この物語では、萩原の
裏店
(
うらだな
)
に住む
伴蔵
(
ともぞう
)
と云う者が
覗
(
のぞ
)
いて
牡丹灯籠 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「ヘイ
蓬莱屋
(
ほうらいや
)
で
御座
(
ござ
)
い、ヘイ西村で御座い」と呼びつつ、手に手に屋号の
提燈
(
ちょうちん
)
をひらめかし、われらに向かいて
頻
(
しき
)
りに宿泊を勧めたるが、ふと巡査の護衛するを見、また腰縄のつけるに
一驚
(
いっきょう
)
を
喫
(
きっ
)
して
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
『
旦那樣
(
だんなさま
)
、もうビールを
召上
(
めしあが
)
ります
時分
(
じぶん
)
では
御座
(
ござ
)
りませんか。』
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
所詮
(
しょせん
)
、おのおのの
御座
(
ござ
)
ある
灯
(
ほ
)
あかりの前には、
得
(
え
)
もすわるまい
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(かかる尊貴の御方が、このような所へ
御座
(
ござ
)
あるとは?)
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
何
(
な
)
んと
恐
(
おそ
)
ろしいでは
御座
(
ござ
)
いませんか、
魔
(
ま
)
の
刻限
(
こくげん
)
ですもの。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「残念ではあるが、そう覚悟して
御座
(
ござ
)
った。
貴所
(
きしょ
)
は?」
姫たちばな
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「竹村さんに別条がなくておめでたう
御座
(
ござ
)
います。」
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
せ
貴女
(
あなた
)
……
妾
(
わたし
)
は
泣
(
な
)
きに
生
(
うま
)
れて
来
(
き
)
たやうなもので御
座
(
ざ
)
います………それも
妾
(
わたし
)
の
不運
(
ぶうん
)
と存じては居りますが………まだ
一
(
いつ
)
しよで居りました時に信太郎と云ふ男の子が一人御座いましたので……丁度今年で六つで
御座
(
ござ
)
います
夜汽車
(新字旧仮名)
/
尾崎放哉
(著)
「お父さん、今日はお
芽出
(
めで
)
とう
御座
(
ござ
)
います」
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
美酒
(
うまき
)
の
香
(
か
)
ぞにほふ
御座
(
ござ
)
の
間
(
ま
)
に
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
いそいで
御座
(
ござ
)
れよ
間
(
ま
)
にあはぬ。
とんぼの眼玉
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ゆふべ
御座
(
ござ
)
つた
花嫁御
(
はなよめご
)
桜さく島:春のかはたれ
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
御座
(
ござ
)
の
灣
(
いりうみ
)
西
(
にし
)
の
方
(
かた
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
涙
(
なみだ
)
は
各自
(
てんで
)
に
分
(
わけ
)
て
泣
(
な
)
かうぞと
因果
(
いんぐわ
)
を
含
(
ふく
)
めてこれも
目
(
め
)
を
拭
(
ぬぐ
)
ふに、
阿關
(
おせき
)
はわつと
泣
(
な
)
いて
夫
(
そ
)
れでは
離縁
(
りゑん
)
をといふたも
我
(
わが
)
まゝで
御座
(
ござ
)
りました
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
學校
(
がくかう
)
といふのは
此大島小學校
(
このおほしませうがくかう
)
ばかり、
其以外
(
そのいぐわい
)
にはいろはのいの
字
(
じ
)
も
學
(
まな
)
ぶ
場所
(
ばしよ
)
はなかつたので
御座
(
ござ
)
います。
僕
(
ぼく
)
も
初
(
はじめ
)
は
不精々々
(
ふしやう/″\
)
に
通
(
かよ
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「九
時
(
じ
)
十五
分
(
ふん
)
で
御座
(
ござ
)
います」と
云
(
い
)
ひながら、それなり
勝手口
(
かつてぐち
)
へ
回
(
まは
)
つて、ごそ/\
下駄
(
げた
)
を
探
(
さが
)
してゐる
所
(
ところ
)
へ、
旨
(
うま
)
い
具合
(
ぐあひ
)
に
外
(
そと
)
から
小六
(
ころく
)
が
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『
願
(
ねがは
)
くは
陛下
(
へいか
)
よ』と
云
(
い
)
つて
軍人
(
ネーブ
)
は、『
私
(
わたし
)
が
書
(
か
)
いたのでは
御座
(
ござ
)
いません、その
證據
(
しようこ
)
には、
終
(
しま
)
ひに
名
(
な
)
も
何
(
なに
)
も
書
(
か
)
いて
御座
(
ござ
)
いません』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
座
常用漢字
小6
部首:⼴
10画
“御座”で始まる語句
御座候
御座所
御座船
御座頭
御座敷
御座候得共
御座元
御座入
御座升
御座形