洞窟ほら)” の例文
黒く大きく立っている離座敷はなれ、——壁と襖とは灰白はいじろかったが、その襖の開いている左門の部屋は、洞窟ほらの口のように黒く、そこに釣ってある紙帳は、これまた灰白く、寝棺のように見え
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
驚きに打たれた若侍は、しばらくは茫然ぼうぜんと立っていたが、やがてあたかも夢遊病者のように「洞窟ほらの国」を彷徨さまよい出した。と、巨巌の前へ出た。何気なく見ると鉄のが、巌の一所にめられてある。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
洞窟ほらの口がそこにあった。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)