“汚涜”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おとく50.0%
をどく20.0%
おどく10.0%
けがれ10.0%
をとく10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこで今日まで文壇がこの事実に対して、どんな反響をしているかと云うと、一般にファウストが汚涜おとくせられたと感じたらしい。
訳本ファウストについて (新字新仮名) / 森鴎外(著)
商売と思つて目をつぶつても瞑り切れないものがあつた。疳性かんしやうに洗つても洗つても、洗ひ切れない汚涜をどくがしみついてゐるやうな感じだつた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
宮殿内の血痕けっこん洞窟どうくつ墨痕ぼくこん娼家しょうかろうの一滴、与えられた苦難、喜んで迎えられた誘惑、吐き出された遊楽、りっぱな人々が身をかがめつつ作ったひだ、下等な性質のために起こる心のうちの汚涜おどくの跡
申しては失礼ですけれど、あれが牧師の妻君などとは信者全体の汚涜けがれです、なにも山木様の別荘なぞ借りなくとも
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
お前は同じ人間に善と悪とが対立してゐることを忘れて、只その悪ばかりを見るからいけないのだ。そんな見方は人間を汚涜をとくし、生命を殺すものだと。
愛人と厭人 (新字旧仮名) / 宮原晃一郎(著)