“疳性”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんしょう56.0%
かんしやう44.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
与一は二寸ばかりの黄色い蝋燭ろうそくくぎ箱の中から探し出すと、灯をつけて台所のある部屋へやの方へ疳性かんしょうらしく歩いて行った。
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
近所のかしらのお神さんのことで、庸三も疳性かんしょうのそのお神さんの手に縫ったものを着つけると、誰の縫ったものでも、ぴたり気持に来ないのであった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
商売と思つて目をつぶつても瞑り切れないものがあつた。疳性かんしやうに洗つても洗つても、洗ひ切れない汚涜をどくがしみついてゐるやうな感じだつた。
のらもの (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
疲労したあまり不機嫌になつた大石練吉は、手荒く疳性かんしやうに衣裳をくるくると巻きながらいつもよりも激しくその切れ目をぱちぱちさせて云つた。
医師高間房一氏 (新字旧仮名) / 田畑修一郎(著)