トップ
>
疳性
>
かんしやう
ふりがな文庫
“
疳性
(
かんしやう
)” の例文
商売と思つて目を
瞑
(
つぶ
)
つても瞑り切れないものがあつた。
疳性
(
かんしやう
)
に洗つても洗つても、洗ひ切れない
汚涜
(
をどく
)
がしみついてゐるやうな感じだつた。
のらもの
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
疲労したあまり不機嫌になつた大石練吉は、手荒く
疳性
(
かんしやう
)
に衣裳をくるくると巻きながらいつもよりも激しくその切れ目をぱちぱちさせて云つた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
「ありますよ。
雇人
(
やとひにん
)
が入るんで、毎晩立ちますが、私は
疳性
(
かんしやう
)
で、流しの廣い、上り湯のフンダンにある錢湯でないと、入つたやうな氣がしません」
銭形平次捕物控:020 朱塗りの筐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
何気なく聞き流して、ゆき子は、釦を取つて、一寸胸にあててみたが、釦のとれたあとの糸屑を
疳性
(
かんしやう
)
に引つぱりながら
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
僕は日本に居て自分で手を
下
(
くだ
)
す外誰にも書斎の物の位置を替へさせ無かつた程の
疳性
(
かんしやう
)
だのに、
此
(
この
)
主婦の大掃除の仕方は全然僕の気に
入
(
い
)
つて
仕舞
(
しま
)
つた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
それには××八幡宮玉串と大きな文字が刷られて、その傍に「辰の歳の男
疳性
(
かんしやう
)
平癒」と書いてあつた。
母と子
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
癖だね。毎晩きまつて、夜半過ぎに——
子刻
(
こゝのつ
)
から
丑刻
(
やつ
)
の間に、暑くとも寒くとも、必ず小用に起きましたよ。——それに恐ろしい
疳性
(
かんしやう
)
で、雨戸を開けて、手を
銭形平次捕物控:252 敵持ち
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「あゝ、人臭い、人臭い……」と
疳性
(
かんしやう
)
に云つた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
年はもう六十恰好、お酒を頂くと、
疳性
(
かんしやう
)
で、素裸でなければ眠られないといふ厄介な親爺、これも遠縁の飼ひ殺しで、こんな時役に立つやうな人間ではありません。
銭形平次捕物控:015 怪伝白い鼠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「主人の金右衞門が
疳性
(
かんしやう
)
で、何處か開いてゐなきや夜寢付けなかつたといふぜ」
銭形平次捕物控:145 蜘蛛の巣
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
頭痛持ちで
疳性
(
かんしやう
)
だから、夜風に吹かれるのが好きで、チヨイチヨイ出かけます、——本當に頭痛持ちなんですね。頭へ油をつけるのが嫌ひで、三日に一度、五日に一度は洗ひ髮にして居ります。
銭形平次捕物控:321 橋場の人魚
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「搜しましたよ。
大掃除
(
おほさうぢ
)
ほどの騷ぎをしましたが、床下にも、天井裏にも、押入にも疊の目にも、
蚤
(
のみ
)
一匹隱れてゐるこつちやございません。この通り、親分は
疳性
(
かんしやう
)
で、掛物も置物もない部屋です」
銭形平次捕物控:136 鐘五郎の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“疳性”の意味
《名詞》
神経質で怒りやすい性質。
異常な潔癖症であること。
(出典:Wiktionary)
疳
漢検1級
部首:⽧
10画
性
常用漢字
小5
部首:⼼
8画
“疳”で始まる語句
疳
疳癪
疳高
疳癖
疳走
疳違
疳癪玉
疳癪持
疳癪筋
疳癪声