“疳走”の読み方と例文
読み方割合
かんばし100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
頭に籠を載せた魚賣の女の疳走かんばしツた呼聲やらがたくり車の喇叭らつぱの音やら、また何やらわめく聲叱る聲、其等全く慘憺たる生活の響が混同ごつちやになツて耳に入る。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
須磨子が見つけた額には、気取つた筆で無意味な文字を二三字なぐがきにして、渓水と落款があつた。須磨子は、疳走かんばしつた声で「ちよいと先生」と呼んだ。
そう疳走かんばしった声でいいながら葉子は時々握っている岡の手をヒステリックに激しく振り動かした。泣いてはならぬと思えば思うほど葉子の目からは涙が流れた。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)