慣例ならい)” の例文
平常つねは六碗七碗を快ういしもわずかに一碗二碗で終え、茶ばかりかえって多く飲むも、心に不悦まずさのある人の免れがたき慣例ならいなり。
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
動物学上から云へば、猫の立つて歩くのもあるいは当然の事かも知れぬ。しかし我々俗人はこれをも不思議の一つにかぞへるのが慣例ならいだ。
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
猟夫仲間ではこれをえてものと云ふ。現にの猟夫も七八年ぜん二三人の同業者と連れ立つて、木曾の山奥へりょうに行つた。かかる深山へ登る時には、四五にちぶんの米の他になべかまをもたずさへて行くのが慣例ならい
雨夜の怪談 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)