“ならはし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
習慣66.7%
9.1%
習俗6.1%
3.0%
慣例3.0%
常習3.0%
3.0%
慣習3.0%
風習3.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夕飯の後、蓮華寺では説教の準備したくを為るので多忙いそがしかつた。昔からの習慣ならはしとして、定紋つけた大提灯おほぢやうちんがいくつとなく取出された。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
されど己が願ひにそむきまたならはしに背きてげに世にかへれる後にも、未だかつて心の面帕かほおほひくことなかりき 一一五—一一七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
げに汝が汝のおぼゆる時の間に律法おきてぜに職務つとめ習俗ならはしを變へ民を新たにせること幾度いくたびぞや 一四五—一四七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
成程さう聞いてみると、幸福者しあはせものだとも言へないらしかつた。飯と酒とそれから今一つの外には、別に世界のある事を知らないのが実業家のならはしだから……。
氏はまたその小説にさへ読み耽る事の出来ない程の、ほんの一寸した閑を見つけた折には、窓硝子まどがらすを指先で叩き/\、下らぬ小唄をうたならはしになつてゐる。
私どうしてもしません。それも私いつもの通りに續けます。今までの慣例ならはしどほり私は終日お妨げしないやうにします。
さうして今、私は、それでは十分ではないと感じたのである。私は、八年の間の慣例ならはしに、たつた半日であき/\してしまつた。私は自由を欲した。自由にあへいだ。自由の爲めに祈をとなへた。
板目紙をふだの形にたつて、茶色の薬袋紙で裏打ちをした。それを二三枚づゝ、耽念に塩煎餠をあぶるやうに遠火で乾した。それに、若い女が凝つた筆法で筆を揮ふのが常習ならはしだつた。
昔の歌留多 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
この傘張のおきなも天主の御教を奉ずる人故、娘ともども「えけれしや」へは参るならはしであつたに、御祈の暇にも、娘は香炉をさげた「ろおれんぞ」の姿から、眼を離したと申す事がござない。
奉教人の死 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
これをるゝをえざるべく、オンチャに分けてこれをはからばその人疲れむ、しかしてかゝる贈物おくりもの本國ところ慣習ならはしかなふなるべし —六〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
幾度か西洋に渡つて、あちらの風習ならはしを知りぬいてゐる船橋氏は、はらはらして乙羽に耳打をした。