“幸福者”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
しあはせもの37.5%
しあわせもの31.3%
あやかりもの6.3%
かうふくしや6.3%
こうふくしゃ6.3%
こうふくもの6.3%
しやはせもの6.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「どうだい、これは、自分じぶんはまあなんといふ幸福者しあはせものだらう。こんやは、それこそおも存分ぞんぶんはらぱいうまい生血いきちにありつけるわけだ」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
かれは、まったくの幸福者しあわせものとなったのであります。ある帳場ちょうばにすわって、あには、煙草たばこをふかしながら、そと往来おうらいをぼんやりとながめていました。
くわの怒った話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
さておれの身は如何どうなる事ぞ? おれもまたまツこの通り……ああ此男がうらやましい! 幸福者あやかりものだよ、何もきかずに、傷の痛みも感ぜずに、昔を偲ぶでもなければ、命惜しとも思うまい。
殊に虚無の遺伝がある東洋人の私には容易かも知れぬ。L'Avare や École des Femmes を書いたモリエエルは、比類の少い幸福者かうふくしやである。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
ほんとうにこのからすは、わか時分じぶんは、元気げんきのいい幸福者こうふくしゃであったのです。けれど、いまは、からすは、もうとしをとってしまいました。
一本のかきの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
諸君しょくんは、なんという幸福者こうふくものだ。じつに、いいときにまれて、天皇陛下てんのうへいかのために、おくにのために、つくすことができるのだぞ。よろこんでいさんで、おも存分ぞんぶんはたらきをしてもらいたい。
からす (新字新仮名) / 小川未明(著)
揃へて……「幸福者しやはせものの手古奈へ、身分と言ひ人柄と言ひ其眞心と言ひ、何處へ不足が言へるだい、考へる處があるもんか、早速挨拶するがえエよ……」
古代之少女 (旧字旧仮名) / 伊藤左千夫(著)