トップ
>
櫛
>
ぐし
ふりがな文庫
“
櫛
(
ぐし
)” の例文
大阪に見えない
鴻山
(
こうざん
)
はどうしたろうとか、俵一八郎の伝書鳩はどうだとか、木曾のお六
櫛
(
ぐし
)
に
朱漆
(
しゅうるし
)
をかけてミネに銀の金具をかぶせ
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さんざん考えた揚句、湯へ行くので持っていた
黄楊
(
つげ
)
の
梳
(
す
)
き
櫛
(
ぐし
)
に、自分の毛を五六本抜いて巻きつけ、万兵衛の
袂
(
たもと
)
にそっと入れた。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、
唐織寄縞
(
からおりよせじま
)
の帯を前でむすんだ所と云ひ、
投島田
(
なげしまだ
)
に
平元結
(
ひらもとゆひ
)
をかけて
対
(
つゐ
)
のさし
櫛
(
ぐし
)
をした所と云ひ、
素人
(
しろうと
)
とは思はれない位な、なまめかしさだ。
世之助の話
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
されば今日
丈
(
だけ
)
の
厄介
(
やっかい
)
になりましょうと
尻
(
しり
)
を
炬燵
(
こたつ
)
に
居
(
すえ
)
て、退屈を輪に吹く
煙草
(
たばこ
)
のけぶり、ぼんやりとして
其辺
(
そこら
)
見回せば端なく
眼
(
め
)
につく
柘植
(
つげ
)
のさし
櫛
(
ぐし
)
。
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
この車はお六
櫛
(
ぐし
)
を売る
宿
(
しゅく
)
あたりまでしか乗せないので、遠く行こうとする旅人は
其処
(
そこ
)
で一つ山を越えて、更に他の車へ乗替えなければ成らなかった。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
けれども朝に、こわれた古
櫛
(
ぐし
)
で素絹のように流れたきれいな髪をとかす時には、おめかしの一瞬を楽しむのであった。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
夜も休まず石油の空箱を台にして(その箱の隅には小さな
蜘蛛
(
くも
)
が綿屑みたいな巣をかけてゐた!)セルロイド
櫛
(
ぐし
)
に、小さな金具の飾をピンセットで挟み
釜ヶ崎
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
されどそれも皆夫人が足運び来給はるにて、私は
此
(
この
)
日も甲斐なく
寝台
(
ねだい
)
に横たはり
居
(
を
)
りしに
候
(
さふらふ
)
。昼前に久し
振
(
ぶり
)
にて
鬢
(
びん
)
にさし
櫛
(
ぐし
)
する髪に結ひ上げ
候
(
さふら
)
ひしは、帽子の
留針
(
とめばり
)
のために
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
大きなスペイン
風
(
ふう
)
の
玳瑁
(
たいまい
)
の飾り
櫛
(
ぐし
)
、くっきりと白く細い
喉
(
のど
)
を攻めるようにきりっと重ね合わされた
藤色
(
ふじいろ
)
の
襟
(
えり
)
、胸のくぼみにちょっとのぞかせた、燃えるような
緋
(
ひ
)
の帯上げのほかは
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
馬爪
(
ばづ
)
のさし
櫛
(
ぐし
)
も
世
(
よ
)
にある
人
(
ひと
)
の
本甲
(
ほんかう
)
ほどには
嬉
(
うれ
)
しがりし
物
(
もの
)
なれども、
見
(
み
)
る
人毎
(
ひとごと
)
に
賞
(
ほ
)
めそやして、これほどの
容貌
(
きりよう
)
を
埋
(
うも
)
れ
木
(
ぎ
)
とは
可
(
あたら
)
惜しいもの、
出
(
で
)
て
居
(
い
)
る
人
(
ひと
)
で
有
(
あら
)
うなら
恐
(
おそ
)
らく
島原
(
しまばら
)
切
(
き
)
つての
美人
(
びじん
)
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
婦
(
おんな
)
が前髪にさしたのが、死ぬ時、髪をこぼれ落ちたというを拾って来て、近習が復命をした、白木に刻んだ三輪
牡丹高彫
(
ぼたんたかぼり
)
のさし
櫛
(
ぐし
)
をな、その時の馬上の殿様は、
澄
(
すま
)
して
袂
(
たもと
)
へお入れなさった。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
髪はもうひきつめにして、長い毛を
捲
(
ま
)
きつけた解き
櫛
(
ぐし
)
の端がちらりと見えた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
三人と
歌舞伎座
(
かぶきざ
)
へ行った帰り、シールのコートから
揃
(
そろ
)
いの大島の羽織と
小袖
(
こそで
)
から
長襦袢
(
ながじゅばん
)
まで通して
袂
(
たもと
)
の先を切られたのが始まりで、その次には
真珠入
(
しんじゅい
)
り
本鼈甲
(
ほんべっこう
)
のさし
櫛
(
ぐし
)
をどこで抜かれたのか
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
庸三は原稿紙やコムパクトや何かの入った
袱紗包
(
ふくさづつ
)
みをもたせ、春雨のふる
街
(
まち
)
を黒塗りの
高下駄
(
たかげた
)
を
穿
(
は
)
いて、円タクの流している
処
(
ところ
)
まで、お八重に送らせて行った葉子の断髪にお六
櫛
(
ぐし
)
を
挿
(
さ
)
した
仇
(
あだ
)
な姿を
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
黄楊
(
つげ
)
のさし
櫛
(
ぐし
)
がおちたのかと
思
(
おも
)
つたら、それは
三ヶ月
(
みかづき
)
だつた。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
「休んでござりまし、木曾お六
櫛
(
ぐし
)
買ってござりまし」
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「お
箸
(
はし
)
」「お香の物」「お
櫛
(
ぐし
)
」「お召物」——
大捕物仙人壺
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
散々考へた揚句、湯へ行くので持つてゐた
黄楊
(
つげ
)
の
梳
(
す
)
き
櫛
(
ぐし
)
に、自分の毛を五六本拔いて巻きつけ、萬兵衞の
袂
(
たもと
)
にそつと入れた。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あまつさえお六
櫛
(
ぐし
)
を造る店の前では、がらにもなく
挿櫛
(
さしぐし
)
や
鬢櫛
(
びんぐし
)
を手にとって、仔細にその細工のあとを眺め、ふところから日誌をだして二、三種の形を写した上、値だんも聞かずに
鳴門秘帖:03 木曾の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白い女のゴム
櫛
(
ぐし
)
などが、彼女の血走った目に異常な衝動を与えた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
黄楊
(
つげ
)
のさし
櫛
(
ぐし
)
落ちにけり
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
ガラッ八の八五郎は銭形平次の前へ、前夜日本橋から芝、田町までの間に拾った
南鐐
(
なんりょう
)
、小判、
飾
(
かざ
)
り
櫛
(
ぐし
)
、四文銭、二分金、
簪
(
かんざし
)
、懐中鏡——と畳の上へ並べて行ったのです。
銭形平次捕物控:131 駕籠の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
黄楊
(
つげ
)
のさし
櫛
(
ぐし
)
落ちてけり
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
おとし
櫛
(
ぐし
)
宮本武蔵:02 地の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
八五郎は
懐中紙
(
ふところがみ
)
の間から、小型の
黄楊
(
つげ
)
の
梳
(
す
)
き
櫛
(
ぐし
)
を一つ出して見せました。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
挿
(
さ
)
し
櫛
(
ぐし
)
は
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
八五郎は懷中紙の間から、小型の
黄楊
(
つげ
)
の
梳
(
す
)
き
櫛
(
ぐし
)
を一つ出して見せました。
銭形平次捕物控:152 棟梁の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎は懷紙に包んだ
黄楊
(
つげ
)
の
梳
(
す
)
き
櫛
(
ぐし
)
を一つ、平次の手に
載
(
の
)
せました。
銭形平次捕物控:107 梅吉殺し
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
八五郎は懐紙に包んだ
黄楊
(
つげ
)
の
梳
(
す
)
き
櫛
(
ぐし
)
を一つ、平次の手に載せました。
銭形平次捕物控:107 梅吉殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“櫛”の解説
櫛(くし)は、髪を梳(と)いて髪型を整えたり、髪を飾ったりする道具。英語でコーム (comb) と呼ぶこともある。
(出典:Wikipedia)
櫛
漢検準1級
部首:⽊
19画
“櫛”を含む語句
櫛比
櫛笄
御櫛
湯津爪櫛
櫛巻
小櫛
櫛卷
鬢櫛
櫛笥
櫛箱
櫛羅
差櫛
水櫛
金櫛
玉櫛
櫛簪
櫛引
六櫛
鼈甲櫛
櫛梳
...