“藤色”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふじいろ70.0%
ふぢいろ30.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なすった、めしものの藍鼠あいねずみがお顔の影に藤色ふじいろになって見えますまで、お色の白さったらありません、姿見の前で……
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
もうそろそろお正月も近づいたし、あたしは是非とも晴衣はれぎが一枚ほしい、女の子はたまには綺麗きれいに着飾らなければ生きている甲斐かいが無い、この白絹を藤色ふじいろに染め
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
はつとしたくと、はづみでしろ花片はなびらは、ぱらりと、藤色ふぢいろ友染いうぜんにこぼれたが、こぼれたうへへ、そのてゝふたかたむけた。
銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
藤色ふぢいろ薔薇ばらの花、決着けつちやくの惡い藤色ふぢいろ薔薇ばらの花、波にあたつて枯れ凋んだが、その酸化さんくわしたはだをばなるたけ高く賣らうとしてゐる、僞善ぎぜんの花よ、無言むごんの花よ。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)