“留針”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ピン60.0%
とめばり33.3%
タイピン6.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
見るとその男は両手を高くげて、こっちを向いておもしろい恰好かっこうをしている。ふと、気がついて、頭に手をやると、留針ピンがない。
少女病 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
相手は薄羅紗うすらしゃ外套がいとう恰好かっこうのいい姿を包んで、あごの下に真珠の留針とめばりを輝かしている。——高柳君は相手の姿を見守ったなり黙っていた。
野分 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
青い革のズボン吊り。本麻、赤縞ワイシャツに猫目石のカフスボタン。三つボタンは十八金。襟飾ネクタイは最近流行し初めた緑色の派手なペルシャ模様。留針タイピンは物々しい金台の紅玉ルビー。腕輪はニッケルの撥条ばね
暗黒公使 (新字新仮名) / 夢野久作(著)